概要
そんなとき、不思議な少年綺瀬に出会う。
綺瀬との出会いによって、水波は少しづつ前向きになっていくが……。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!感動の物語が、心に残るメッセージを贈る。
物語の展開は感動的でした。主人公の内面の葛藤や苦悩がリアルに描かれていて、彼女の心情に共感してしまいました。特に、自己嫌悪や罪悪感から抜け出せずに孤立してしまう様子が胸に迫りました。綺瀬くんとの関係が彼女に安らぎと支えを与えている様子も、心温まるものでした。修学旅行中の沖縄での出来事は、物語に新たな展開と感動をもたらし、穂坂さんとの再会や彼の言葉が主人公の心に勇気を与える場面は特に印象的でした。
物語全体を通じて、主人公が自分自身と向き合い、成長していく姿が描かれていて、その過程に共感しました。結末の展開も予想外で、感動的でした。物語のテーマや登場人物の心情が深く掘り下げられており、読んで…続きを読む - ★★★ Excellent!!!死に際の出会い──それは少女にとって新たな一歩の始まりでした
友人との旅行中、水難事故に遭い、唯一救助された少女。
生き残ったのに、友人を助けられなかった罪悪感に嘖まれ、遺族にも非難され、毎日悪夢に魘され……。
耐えられなくなった少女は、死を選ぼうとします。
しかし、死に行く少女を引き止める美少年。
名前しか分からない不思議な少年とは初対面なのに、不思議と悪夢から解放されるような安心感を少女にもたらします。
そして、徐々に暗鬱だった少女が、前向きになり、同級生とも心を打ち明けるようになり……。
少しずつ、自分に向き合います。
水難事故で命は救われたのに、少女を襲うトラウマと罪悪感。
その心情描写がリアルに、そして丁寧な筆致で綴られています。
…続きを読む - ★★★ Excellent!!!愛を知って世界と自分を知る
キャッチコピーに「君がいたから、前を向けた。」 物語が始まるとき、主人公は前を向いていません。
そんな主人公の前に「君」が現れ、主人公は次第に周囲を、大きく言えば世界を知っていきます。
現れてくる世界の有り様は、極めて現実的で、かつ仔細に目をこらさなければ見えないものです。読者は、世界が、厳しくも、信頼できることを知ります。
世界を知ると、自分を知ります。
人は自分が何者であるのか、その一部を他人に預けています。他人から悪魔と罵られれば、自分は悪魔かもしれないと信じるでしょう。しかし、その言葉を信じてよいのでしょうか。本作を読むと、どのような人の言葉を信じるべきか素直に分かります。
…続きを読む - ★★★ Excellent!!!モノクロの世界に色をくれたのは、貴方でした。
水難事故で一人だけ生き残った主人公は、女子高校生となった。元々おとなしい印象の子どもだった主人公は、無視される生活を送っていた。そんな主人公に、親友が出来た。主人公と親友は、中学校生活最後の旅行に沖縄を選んで、フェリーに乗った。しかし、そこで予測不能な事故が起きる。そして主人公だけが助かったのだ。
一人だけ生き残ったことで、主人公は罪悪感に囚われ、自ら死を選ぶことにした。ところが、そこで不思議な少年によって主人公の命は救われる。何度も主人公はその少年によって救われた。命だけでなく、心も。事故以来モノクロだった主人公の世界に、やがて色が戻って来る。
そして高校でも主人公に新しく友人が出来…続きを読む - ★★★ Excellent!!!荒々しい波濤が優しい潮騒へと転じる浄化の物語
人生を一変させた悲惨な海難事故の記憶。生き残った少女は、今も悪夢に魘されて、遺族に罵られ、生きる意味すら見出せなくなった…
絶望的な状況、遣る瀬無い場面から物語は始まります。自ら命を絶とうと決意した刹那、差し伸べられた手。運命を司る一本の手。それが彼女を変えて行くことになります。
相手は優しげな男の子。一見、シンプルなボーイ・ミーツ・ガールの様相ですが、その手は何処までも力強く、彼女の生き様を変え、過去と向き合う勇気、そして未来に眼を向ける情熱を授け、導きます。
主人公の揺れる心情や友人との交流が丹念に描かれる中、明らかになる海難事故の真実。中盤からの展開は意外性に満ち、一種、謎解きの…続きを読む - ★★★ Excellent!!!心温まる感動小説で、あなたも『涙活』しませんか?
海難事故で生き残った少女が主人公の物語。
web小説としては少々とっつきにくいと思われるかもしれませんが、約束しましょう。必ず感動できると。
映画の原作だと言われても納得するほどの完成度です。これを無料で読めるとか、読まないと損するレベルです。
【映像化してほしい!】
一度は死を選ぼうとした彼女が立ち止まり、前を向き、生きていこうと決意するまでの姿が丁寧に描かれている本作。
実生活に即していながらも、ファンタジー的な要素が含まれているため、1本の映画を観ているような感覚にさせてくれます。
私は長編アニメを思い浮かべましたが、実写映画も可(綺瀬くんは若かりし頃の菅田将暉くんで)
【…続きを読む - ★★★ Excellent!!!事故情報は誰のためにあるのか、改めて考えさせられる小説
いわゆる「二次被害」に焦点を当てられた小説になります。
『それでも君が、明日に灯火をくれたから。』は、直接の被害者に対する二次被害はもちろん、その家族、友人、それを救い出した者にまで焦点の当てられた、考えさせられる作品です。
また、もしも自分が被害にあったときに、この作品の内容を思い出せるようにしたいと思える作品でもあります。
内容としては重ためですが、非の打ちどころのない文章なので、比較的さらさらと読むことができます。
心理描写はもちろん、世界観などもかなり緻密でとてもリアルな反面、非現実的なエンターテインメント要素もあって、どのような結末を迎えるのか先が気になります。
一つ一つ…続きを読む