概要
この独創的なファンタジー小説は、超越的な存在が異世界に旅立ち、魔王としての生活とその世界への影響を目指す物語です。既存のファンタジー小説とは異なり、主人公の視点と全知視点が交差し、神と人間、魔王についての考察と思考実験が含まれています。哲学的な深さを持つこの物語は、ファンタジージャンルに新しい視点を加え、読者にこれまで経験したことのない新しい世界と思索を提供します。
この世界には独特な存在がいます。彼は誰も認識できない独自の世界に創造された巨大な宮殿で孤独に生活しています。彼が孤独に生活しながら唯一楽しむ趣味は、自らの能力を使った思考実験と世界観察です。彼は非常に長い時間、世界に存在してきましたが、その存在を知る者はいません。
しかし、彼の正体を知る者が本当に誰もいないわけ
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!退屈から始まる、魔王の壮大な思考実験
異世界ファンタジーといえば、波乱万丈の冒険や壮大な戦闘を思い浮かべがちですが、この作品は一味違います。圧倒的な力を持つ魔王ポンテノマイアが、自らの「退屈」という感情を起点に新たな挑戦を模索する姿は、壮大なスケールの哲学的思索そのもの。「統合暦」の設定には特に心を惹かれました。歴史的な大事件を経て、異なる文化圏が一つの暦を共有することで、国際的な連携と進歩が進むというアイデア――時間をどう使うかが未来を形作る、というメッセージが見え隠れして、実に考えさせられます。そして、迷宮という舞台装置がただの闘技場ではなく、多様な立場や思考を持つキャラクターたちが集い、対話や駆け引きを繰り広げる場である…続きを読む
- ★★★ Excellent!!!独特な切り口が襲いかかる!しかし、それが良い!結果、夢中になる!
気付けば今日もまた先生の作品を読み進めています。どうしても夢中になってしまうんです。
本来のファンタジーものであるならば、魔王は勇者に倒される側の役目であると思いますが、これは恐らくその最重要役である魔王側を作り上げる視点。
まだ途中なのですが、第一印象としてこの作品は先生の頭の中でかなり作り込まれています。たった一人で一体どのような推敲をすればこの作品を書くことが出来るのかと、また私は不思議な感覚に陥ってしまいました。
この小説という『娯楽』の中の真理めいたものにまた一歩近づく事が出来る作品だと思います。
更新を楽しみにしております♪ - ★★★ Excellent!!!創造主という新しい視点から語られるハイパーファンタジー
「想像を超えた主人公」のタグの通り、読むものの予想を超えた創造主という存在が主役である。
彼は神や魔王よりも上位の存在で、魔法など使わずに思うだけで権能を使う。
そんな全能の彼が、ふと自分の作った世界に降り立ち、迷宮を作り、さらには一介の魔王として「新入り魔王歓迎会」に参加するという、非常に興味を引き出される設定である。
一見、難しそうな内容ではあるが、その緻密な設定や世界観、そして主人公である創造主と代行者の会話には丁寧な背景説明の描写が付いているのでわかりやすい工夫がされている。こういう手法があることに驚いた。
読めば読むほどその世界の深淵を覗き見ているかのような気持ちになる物語で…続きを読む - ★★★ Excellent!!!これぞ、まさに超越者のたわむれ
普遍的な異世界ファンタジーで神や悪魔は頻出します。しかし、それらの作品群で、果たしてどれほどの作品が人間、神、悪魔との関係性を適切に表現できているでしょうか。多くの作品はそうなっていないでしょう。
それはなぜか。人知を超えた存在を人間の視点で語ろうとするからです。この作品は人間、神、悪魔よりも高次の存在、すなわち超越者の視点に立つという全く新しいアプローチで創作された、実験的かつ独創性の高い作品です。
カドカワBOOKSファンタジー長編コンテスト中間選考突破作品であり、品質は保証済み。普遍的な異世界ファンタジーの題材も視点を変えれば、こんなに面白くできるのかと気付きが得られました。
論…続きを読む