心の傷との向き合い方

を描いたとても悲しい導入から始まる物語でした。
事故は起こった瞬間だけでなく、その後も当事者たちの人生を容易に狂わせるものだということを痛感することになりました。

導入から一章にかけてあらすじをなぞることになるのですが、綿密に練り込まれた世界観、人物の心情までもがダイレクトに響く描写の説得力も相まって少女に刻まれた心の傷がいかに深いものかを読み手にこれでもか、というほどに教えてくれます。
ですが、そんな少女がふとした出会いにより前を向こうと思える姿が描かれた時、心の揺れ方もまた読み手にしっかりと届く、とても心情を揺さぶられる作品です。

このレビューを書いている時点で完結まで読了済であり、導入以降の展開についてはここでは触れません。
ですが、これから読む方へ向けて、そんな少女が迎える結末を優しく見守って頂きたいと願える物語です。

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