眠りから目覚めたドラゴンが、かつての生活を取り戻すために開拓生活を始める異世界ファンタジー作品です。
神なるドラゴンである彼女は、悠久を生きる肉体を有しながらも、活動期と休眠期を繰り返す必要があります。
百年活動したら千年の休眠を。そうして現代日本で眠りに付いた彼女が目覚めると、見事に文明は崩壊していました。
国は形をなしておらず、生物は急激な変化で似ても似つかないキメラのような姿に。
当然ながら、店も人も娯楽の一つだって残ってはいません。
それでもすっかり現代で贅沢が染み付いてしまった彼女は、在りし日の生活を取り戻そうとします。
ドラゴンは美食と娯楽あふれる世界を取り戻せるのか。
ぜひ読んでみてください。
俗っぽさ満載で、一気に親近感を覚えてしまうそんな素敵な作品でした!
時間の感覚は竜らしい壮大な規模の年月をしれっと生きているのですが、その他の部分がとても現代テイストに彩られているため、頬を緩めるには十分な存在感を発揮してくれています!
現代から遠い先の未来として描かれており、言葉面だけで捉えるとハードなのですが、描写や口調の空気感がそれを感じさせない見事な進行になっています!
お付きの精霊がおり個人的にとても好みな性格。特に主人公との掛け合いでとても魅力を放っていました!
現代(この作品的にいうと1000年前)の生き方に慣れきっていた主人公に対しての鋭い一言は、ほのぼの進行における絶妙なスパイスの役割を担ってくれています!
そんな緩い未来の生活を描いた作品、みなさんものんびりと楽しんでみてはいかがでしょうか!
主人公の弥生、見た目は二十歳ぐらいの美女。
中身はドラゴン。
100年、活動し、1000年、眠りにつく。
こう書くと、偉大な〜、高貴な存在で〜。と思えるが、中身は、「えっ? 高度文明、眠りについてる間に滅んだの? もうポテチ食べれ無いの? アニメも見れないの? そんな……。」
と落ち込む、庶民感ただようお姉さん。
そんな弥生を、甘やかすかのごとく、優秀な執事……森の精霊である彭侯《ほうこう》が、あれやこれや、世話を焼いてくれます。
全体にただよう、のんびり、ほのぼの感が魅力です。
肩の力を抜いて、リラックスして読んでいただきたいです。