※第一部(およそ170話超)読了時点でのレビューとなります。
ある日の放課後、突然の地震?と共に、学校の職員室周辺が別の世界に転位した。
職員室にいたのは教師達と、学校の児童、たまたま来ていた保護者や卒業生。
目の前に広がる草原に困惑しつつ、彼らはこの世界で生きていくために動き始めます。
よくありがちな魔物が出てくる訳でも無い。派手なチート能力を授かる訳でも無い。
むしろ、成熟した大人達として、少数の子供達を守りつつ、今、何をなすべきか、体制を作り、計画を立て、実行していく。地に足の着いた堅実な歩み。
そして、その地に暮らす人々との出会い。見た目は人間と同じ。でも異なる言語を持ち、異なる文化を持つ人々。いきなり会話が出来る訳では無く、身振り手振りから少しずつ単語を覚え、翻訳して、会話をしていく。
登場人物達の行動は現実的である一方、転位した世界がどこなのかの疑問は残ります。なぜかGPSが使え、ISSらしきものが空にあることからは地球との地続きの関係を思わせる一方、GPSによる緯度経度測定だと、本来海であるはずの所にある陸。ここは果たして地球なのか、そうでは無いのか、その謎は追々解き明かされていくと思います。
決して派手な戦闘がある訳でも無い、突然巻き込まれた人々が困惑しながら対策を講じていく、言わば地道な物語。八乙女という主人公を置きつつ、他の人達の視点でも語られる群像劇。
ある意味、ネット小説らしからぬ小説。でも、緻密な世界設定と、魅力的な人物達。そしてスッと頭に入ってくる文章。圧倒的リアリティを持つ異世界転移の物語、ぜひとも一度ご覧ください。はまること間違い無しです。
学校の中心で会議が息をする――職員室が草原に切り取られ、電気も通信も絶たれたその瞬間から、物語はサバイバルと日常の境目を確かに歩き始める。頼れる校長と切れ味鋭い教頭、気配りの養護教諭、理科主任の八乙女先生、奮闘する実習生の上野原さん。181話の厚みは、そのまま人間関係の温度になって読者の胸を温める。ここでの『会議』は結論を急がず暮らしを守るためのアクションで、読むほどに頼もしさが増していく。
忘れがたいのは最初の『転移』の確認だ。激震の直後なのに机上は乱れず、カーテンを開けると一面の緑。八乙女先生が外に出て振り返ったとき、校舎の周囲だけが半球状に残されていると分かる。草の匂い、遠い林、円く切り抜かれた校舎という発見の連鎖が、恐怖を『皆で話す』力へ変換し、寝床の割り振りや非常用トイレの運用といった具体の決定へ繋がっていく。緊張の合間に鶏の酒蒸しを分け合う温かさまで描いてくれるから、この物語は不安より先に「暮らせる」を信じさせてくれる。
注
ネタバレを避けるため、最初の10話くらいまでの感想にした。内容も良いし、読みやすい。
Q. この小説をどう思いますか?
A. 従来とは異なる視点で「異世界転移」という要素を扱っているファンタジー小説だと思います。
Q. 既存の小説と比べて、この小説の特徴は何だと思いますか?
A. 現在、特定の個人や集団が異世界に転移するパターンは一般的になっています。その過程での原因不明の状況や混乱も、よく描かれる要素です。
しかし、この小説は単にそういった要素に焦点を当てているわけではなく、登場人物全員が無条件に強大な能力を持っているわけでもありません。比較的現実的な論理と展開が用いられている小説だと思います。そして、集団や個人の生存の視点、ロマンス要素など、様々な要素をバランスよく扱っている興味深い小説だと判断します。
Q. もしこの小説を多くの読者に推薦するとしたら、どのように言いますか?
A. 創作者の視点からも、読者の視点からも非常に興味深い小説だと思います。読者の皆様には、ぜひこの小説を読んでみることをお勧めします。
飛ばされるのが自分だけ、というのは沢山ありますが、この形式はあまり見たことありませんでした。
当然守る人がいる状況なら頭も回転する。
わたしなら、とりあえず水に重曹混ぜたものとクエン酸(C6H8O7)混ぜた物を別個で2種類たくさん用意しろ、お風呂で髪、体洗う時に使えるし、何かと洗う時に洗濯にも使えるから。と命じますね。あと虫歯軽いものなら重曹でいける。重曹うがいで。飲み込まずに。布類に発生したカビも重曹水で消せるし。
とか、ほかにもあれこれ思いながら読んでます。
この読み物の登場人物も、よく考えて行動してます。それも見所ですね。
これほどの量を書くのはすごいです。良い長編です。
何気ない日常の中で起こった異変。
放課後のとある小学校、職員室にいた者たち二十三名が強い揺れを感じ、それが収まると──
未知なる異世界へと、集団転移してしまった二十三名。中には年端もいかない子供もおり、現状を悲観するだけという訳にも行かず。
役割分担や知恵の出し合いを駆使し、何とかその日その日を乗り越えてゆく彼らだったが……?
未知との遭遇、禁足地と呼ばれる場所、言語の壁……果たして、未知なる世界の正体は? そして転移してしまった者たちは、無事に元の世界へと還ることが出来るのか?
数多の思いが交錯する、傑作群像劇──是非とも、ご一読頂きたい。
膨大な伏線と個性豊かな多くの登場人物が出てきます。
この物語に出てくる人物1人1人によく注目して読んでください。
物語が進めば進むほど、「あれ?」「これはっ!」って感じで伏線が収束していきます。
これはね、作者の夏目様が本当にスゴすぎます!
どれだけ構成を練って練って伏線を散りばめて、数々の登場人物を産み出したか、それを考えるだけでも本当に頭が下がります。
そこらへんの転移モノだったり、(私の作品のような)ありきたりな異世界モノ、剣と魔法の世界なんだろ?なんて思うなかれ!
読めば読むほどドンドンこの物語にハマりますよ!
沼なんてもんじゃないです!
最新話まで読んだら、すぐに1話から何度も読み返したくなるくらい本当に肉厚で濃厚なストーリー♪
素晴らしい作品です。
完結した暁には書籍化&ドラマ化して欲しい♪
読んで後悔しない作品です!
まだ読んでない人は、是非ご一読を♪
後悔は絶対しないはずです!
異世界に転移した先生たちが直面するサバイバルが最大の特徴で物語の核でもあり、生存をかけた緊張感、そこで生まれる人間ドラマが魅力です。
限られたリソースをどう管理し、生徒たちを守りながら〝如何にして生き抜くか〟というテーマがリアルに描かれいるので、手に汗握る展開が楽しめます。
先生たちは異世界サバイバルをする一方で、〝日常業務である会議や教育〟も何故か欠かさず行われます(笑)
異世界という非日常の中で、普段の業務をこなす姿がコミカルに描かれ、緊張と笑いのバランスが絶妙だと感じました。
また、職員室内の人間関係や恋愛模様が描かれており、キャラクターたちの成長や絆が丁寧に描かれています。
それらに異世界の謎解き要素も加わっているので、物語に一層の深みとなっているとも感じました。
異世界の不思議な現象や未知の生物との遭遇など、冒険とミステリーが絡み合っているので、読み手は物語の世界へと誘われると思います。
異世界転移サバイバルものが好きな方はもちろん、人間ドラマが好きな方にもオススメできる作品です。
まだまだ序盤を読み進めているところですが、レビューさせていただきます。
クラス転移ではなく職員室転移、ということで主人公含め主な登場人物がその場に居合わせた教師陣。偶然居合わせた生徒も数人いるようですが、あくまでストーリーの中心となり、進めていくのが先生方というのが斬新で、おもしろく読ませていただいてます。
突然に転移が起こり、子供だけでなく大人も取り乱しかねない状況で、あくまで冷静にシステマティックに会議などで意思疎通を図り、自分たちのやれることで地に足のついた対応を進めていく様子は没入感がありワクワク感があります。
これからも楽しみに読み進めさせていただきます!
ある日、職員室だけが違う場所に転移してしまった。
ちょうど居合わせた先生たちと生徒や保護者……総勢23人!
呼吸は……できる。
水や食料は……当面は何とかなる。
でも、どうしてココに?
それよりも、ココはいったいどこなんだ?
これからいったいどうすればいいんだ?!
───と、転移転生物としては登場人物が多いだけで(失礼)そこそこありがちなスタートを切ります。
このあとは……神様でも出てくるのか?
それともみんなで一致団結協力して、この世界で生きていく術を探して『集団ロビンソン・クルーソー』するのか??と想像します。
でも、その想像はみごとに覆されます。
いや、一致協力して生活基盤を築きあげては行きますよ。
ただ、その日々もあるきっかけにより様々な変転・変遷が起こっていくのです。
登場人物が多くて大変ですが、作者様の心遣いか時折人物紹介篇も挿入されていますので安心です。
深まる謎、明らかになる謎。
この世界ともとの世界と、二つの世界の絡み合いが見事に描かれています。
もう一度、言っちゃいます。
ぜひ、一度読んでみられることをお勧めします!!
第一部まで読んでのレビューとなります。
この作品を読んでまず驚いたのが、異世界側の言語がこと細かく設定されていることです💦
これは皆さんが驚いた点ではないでしょうか。これにより、本当に異世界に来てしまったのだという没入感が、読者を襲うこと受け合いです(≧▽≦)
そして転移した23人の先生たち。始まる23人の集団生活────ほとんどが大人であることから、話し合い、分担し、生きていくための務めを果たす登場人物たち。
でも、やっぱり色々起きちゃうんですよ……人間なので。
緻密に設定・構成された異世界で繰り広げられる、23人の転移者達の愛憎乱れる人間模様。これからも目が離せません!!
そして最後に──私は切に願います。この素晴らしい作品の実写ドラマ化を(*^^*)
この作品は風の便りというか、噂はかねがね聞いていた。マジで凄い作品。風格さえ漂っている。
職員室が転移しても初めは皆、力を合せ和気あいあいだったん。それがさぁ、サバイバルとか、会議とか、恋愛とか、ってなれば分かるでしょ。それも孤立した共同生活。
悪いやつがいるんですよぉ~(T_T)。謎の部分に差し掛かって来ると、そいつらはもう正体を隠さない。
まぁ、えげつない。皆の心も、それぞれの事情があって、てんでバラバラになっていく。和気あいあいからのこれだから、その落差で読者はのめり込むこと間違いなし。
『漂流教室』(古くてすいません)ってあったでしょ。あれはね、残酷描写しか印象に残っていない。『職員室転移』の方は残酷描写が一切ない。むしろ、それがリアリティーとなって、僕の年齢ぐらいになると、まぁ、そうなるわなって納得してしまう。
現343話で更新が続いている。ここまで来るともう最後の最後まで目が離せない。恋愛は成就するのか、誰が現世に戻れるのか。
『戦国自衛隊』みたく(古くてすいません)、生き残れるが現世には帰らないってパターンもあるかもしれない。頼む。悪いやつだけは、必ず悲惨な最期を迎えてくれぇ。