主人公はその日、テレビでサッカーの試合を見ていた。特にサッカーが好きだったわけではない。サッカー好きは、父親の方だった。ところが、そのサッカーの試合を見ていた主人公は、ある選手のプレーに釘付けになり、心を鷲掴みにされてしまう。ここから、主人公のサッカー熱はぐんぐん上昇して行く。
女子中学生になった主人公には、麺好きで優等生の友人がいた。主人公はサッカー部の門を叩き、友人と共にサッカー部のマネージャーになる。その部にいたのは個性豊かな面々だった。
さて、主人公が憧れた選手はどうしていたのか。その選手はあることがきっかけで、荒んだ気持ちになっていた。そして功利主義的な女性から目をつけられ、彼の人生は大きく変わっていくことになる。
しかし、消して交わるはずのなかった二人の人生が交差する時、奇跡が起こるように思われたのだが――。
サッカーやフットサルの知識がなくても、作中の説明が分かりやすく、読み進めることが出来ました。また、サッカーの試合の描写は、まるで映像を見ているように巧く、臨場感があり、とても楽しく拝読しました。
前向きで明るく、元気な主人公に励まされる一作です。
是非、御一読下さい。
初めに……僕自身はあまりサッカーに詳しくなく、恥ずかしながら専門用語もあまり知らないのですが、この小説は序盤を読んでいくだけで、一気に引き込まれました。
こんなにスポーツものの小説で熱くなったのは初めてです。試合の描写が丁寧かつ畳み掛けるように速く、迫力がありハラハラとさせられます。知識なんてあってもなくても知らんと、読者を置いてけぼりにする勢いです(笑)
そして試合のシーン以外もまた、熱い青春が描かれます。夢に向かって走る主人公がこの先どうなっていくのか、非常に先が楽しみです。
スポーツ小説は本当に好みの外でしたが、また新しい刺激をもらいました。
読んだことのない人こそ、読んでみてもいいかもしれません。
ぜひとも御一読を!!
サッカーやフットサルを題材にした物語ですがそれらに詳しくなくても十分に楽しめます。
つまり物語の展開や人物の作りがとても見事だということです。
登場するキャラクターが魅力的なので読み進めていくと彼女達に自分が乗り移ったような気がします。現実感がある設定なので読み手を選ぶ作品ではないのも魅力的です。
むしろサッカーに詳しくない方の方が入り込みやすい作品なのではないかと思います。
主人公が爽やかさと熱さの両方を兼ね備えているので感情移入をしてしまいますね。
スポ根的な展開もあり、テンションがあがります。
作中でキャラクターがどんどん成長していくのが気持ちよいですね。
惹き込むような導入から始まる物語に男も女も関係はありませんでした!
とんとん拍子に話が進むことはさっぱりなく、憧れに近づくための努力や苦悩がとても丁寧に描かれています。
試合や練習の描写がとてもこだわりを感じられキャラ毎に異なるサッカー論のぶつけ合いがとても読み応えがあり、さらにサッカーを通じた人間関係の構築等もそれぞれに年相応な描き方がされているのがとても印象的でした!
あらすじの通りの話でありながらも、その中に描かれたドラマは目標に向かって軸がブレることなく真っすぐと道筋を示してくれているので、読み手側としても迷うことなくキャラを応援したくなるとても熱い作品です!
この寒い季節だからこそこの作品の熱に触れて気持ちを上げてみてはいかがでしょうか!
これはタイトルからも明らかな通り、サッカー小説です。
自慢ではありませんが、私はサッカーのルールなど殆ど知りません。
そんな私がサッカーの試合進行にワクワクし、登場人物たちの葛藤にハラハラし、憧れの人のプレーに近付けるよう頑張る主人公の少女のことを応援している……十二分に楽しめているではありませんか!
丁寧に描写されているお陰で、サッカーの試合進行が素人の私にも分かりやすく、臨場感を味わえました。
加えて、主人公の接那が頑張り屋さんで、自然と応援したくなる女の子!
特別にサッカー向きの体格や体力に恵まれているわけでもない。
ただ、荒畑宗平という憧れの選手のプレーを研究し、自分なりの努力を続けてきた女の子です。
一度はプロになる夢を諦めた接那ですが、そんな中、ずっと追いかけてきた荒畑宗平と直接接触する機会がやってきます。彼が接那の高校にサッカー部コーチとしてやってくるというのです。
ここから更に面白くなってくる予感がします。
サッカー好きさんにも、そうでない方にもお薦めしたい作品です!