攝累ーきょうらー
「助けてよ……姉さん」
あらあら、我が可愛い弟の
それはそうか、なんせ右腕の肘から下を斬られた、いや斬り落とされたんだ。
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「
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おうおう、可愛くて可愛そうな弟の攝からの
まぁ、
さて、少しばかり体を”返して”貰おうかな?攝。久々の外から視るあたしの朱混じりの長い黒髪は中々に妖艶で
いいね、気分が乗る。飛ばされた腕も入れ替わった。よし。快調にして順調って奴だ。
にしても手前の盗人、攝の腕を容赦なく斬り飛ばした割には命を狩りに来る素振りが無いね。さぁ何が目的だ?
あの立ち姿と体使い。そしてあの眼だ。無意味・無計画に事にあたる様な
どちらかというと無駄な動きをしたくないってタイプだ。
あたしの噂を聞いているにしたって、いや知ってたって攝への接近には余程の、そしてそれなりの準備と用意をして来ているはずだ。
って色々伺っていても
小手調べといこうじゃない。攝のソハヤ渦羽織もあることだしね。存分に使わせてもらうかな。
さぁどれで行こう。柔道 空手道 合気道
必要ないしそもそも扱えない。うん、出すのは卍蹴り。躰道の基本にして教本だ。
躰道の基礎は足捌きだ。さぁあたしの足よ、
この低い目線、目まぐるしく変わる景色。そして足先の感触。
――うん、おかしい。先とは別人に移り変わったように動きが悪くなった。だがそれ以外に違和感がない。
言葉数は少ない方なのだろうけど、全く喉を動かそうとしないね。そう、喉仏が
まぁ聞くだけ聞いておこうか。
「なぁ、聞かせてくれよ。我が弟"攝"を狙ったんだ。
御目当ては、この羽織だろう?確かに弟の
ただ自分ではいまいち使いこなせてはいないんだけれど…。」
○
その声を遠くから毛先の朱い腰まで伸びた黒髪の少女の姿と一緒に聞くこの私……。
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