幽閉ーゆうへいー
いきなりの襲撃。そして無慈悲な終劇。
意識を取り戻した頃には、理由もわからないまま突然、ある日。母と弟が居ないという現状と、それからくる怒りと困惑をどこに向ければ良いのかわからずに戸惑い、それに尚、苦しめられる日々を余儀なくされることとなった。
それを見ていた丹波
ー騒速渦羽織ー。
速さを求めるべく作られたわけではない。
攝の意識を、精神を、憑依させるべく作られた羽織。そして戻らない、還らない母の代わりに、せめて弟は側において、もうずっとさみしくないようにとの温情と同情で作られた羽織だった。
だから、他の羽織と意図が違う。毛色が違う。
異色も異色。
異常も異常。
攝の身体は外には出せない。それは対立派が許すことはない、母親殺しという一族に拭いきれぬ泥を塗った忌み子を救うためのルールや体裁の抜け穴を通す、羽織を扱う渦切ならではあり、唯一の方法だった。
これが、この記憶が、攝累が。
ー取り返したー。
惨劇の忌み双子の過去であった。
「攝は、まだ地下牢にいるって事になるぜ。取り返した記憶が、正しいならだけどな。」
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