老婆心ーろうばしんー
宵も更けて来たのにも関わらず、屋敷の上へのぼり、物思いに耽っておる忌み双子の片割れがおるようじゃけ。
思い至る程の、物の語りも知らずしての…。カッカッカ。
渦切の下、
確かにあれは渦切のしてきた、嫌。わしがしてきた事が、事柄を見ることが出来る羽織じゃがの。それは全て、
付喪の神と一緒に作った、婆様達の
初代にして先代の婆様達は幼いワシによぉ言ってくれた。教えてくれた。
ーー『ねぇ、
~~「だからな、累比。次に産まれてくるあたしらの様な双子をもって、この渦切の
ー頼みましたよー。~任せたぜ~。
婆様達は、亡くなる前に。ワシにそう言った。守らねばならぬ。保たねばならぬ。
嫌じゃ。嫌じゃ。
婆様達が一代で築いた頃。付喪共にどれほどの犠牲を払ったか。どれほどの身を削ったか。
それを婆様達は…。分家は愚か、本家、そして宗家の者にすら多くを語ることをしなかったんじゃけ。
ワシは、知ってしまったんじゃけ。ワシ自身が作った羽織のおかげで…。
嫌、創り出してしまった羽織のせいでじゃ…。
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