痛いーいたいー

 今回、今作はこの僕、渦切せつが語り手として話をさせてもらおうと思う次第で今、目が覚めてそれと同時に感情も冷めてしまっている早朝として明朝。


 私情で至上な感情を語らせてもらうとまだまだ眠たい。眠っていたい。

 朝からなぜこんなに億劫おっくうに気を落としているのかというと今日は厳酷げんこくで厳格な僕の父。

 この渦切一派の頭領にして頭目の渦切丹波たんばに呼ばれ、呼びつけられているからだ。


 あの威厳と尊厳を体現したかのようなお父上様の呼び出しというだけでも、まぁまぁに心躍るどころか心すたるというのに原因はそれだけじゃないのだから穏やかではない。


 言ってしまうと頭が殴られたように痛いし腫れている。この感覚は知っている。

 かつて、かねていやというほど姉と浴びた父上からのげんこつの鋭い痛み。


 なぜ?いつ?げんこつを受ける程の事をした記憶がない。だけれどこの痛み、確かに父の怒りの乗ったげんこつだ。

 そして今日、今しがた父からのお呼び出し。


 はぁ、とんでもなく、そしてとてつもなく嫌な予感と予測が止まらない。



 今日も今日とて一日が始まる。


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