双頭の蛇ーそうとうのへびー
今回は、今作はこの私。名前なんて大した意味もないさ。
といった次第で、世界で言う地の文とやらだけでこの世界を語っていこうと思う。
◯
振り下ろされたのは釘抜き。先端が細く
その2つの
”ズサリ”。
聞くに堪えない、耐えられない鈍くも恐ろしい
確かに、
そう、馬酔木は避けていた。
馬酔木も分家とはいえ、渦切一派の羽織を扱い
まして今回は
周りの状況判断も人一倍見て、聞いて、気にしている。そうなるだろうことも
よくよく、夢々忘れぬようにと。
思考を巡らせたのもつかの間、頭のかわりに貫かれたのは身を
頭蓋よりはまだましだ。
そんな言葉は受けたことのない他者、愚者だから言えることだ。激しい痛みと熱さが両手から腕を伝い心臓に響く。
なんにせよ状況は最悪だ。なんたって、羽織職人の命であり技術を羽織に落とし込む際、なくてはならない部分。
そう、馬酔木は両手を失った。
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