憑き綴りーつきつづりー
【
初代渦切、双璧の
羽織を脱いでも数刻程、着けた者に効力が残るというものだ。
あらゆる事象とあらゆる状況を加味し想定した上で、自身が創る、
二人で1つの羽織を扱い立ち回る。それは、血の繋がった、同じ血を介する双子故、扱えるに至った異端というべき限定的で決定的な技法だったのである。
双子という血の繋がり。それを土台として初めて成り立つ
こんなに歪んだ思想を持つ累火ではあるが、それでも、そうだからこそとも言えるが、御意見番の地位を長年確立してきた程にはその頭の回転の速さを使った予想・予見・予感の鋭さは軍を抜いているのだ。
「もう1つはあの片割れ特有の体質かもしれぬという懸念じゃけ。今までの双子もそうじゃった。生まれ落ちて覗いて見れば、どちらかが特異変質持ちだったんじゃ。今までは。」
「じゃが、今回の双子は偉く婆様達に似ておる。攝、攝累。双方共、特異変質持ちの可能性を見出すならば、攝累。
止まらぬ考えを巡らす累火。それは、攝累を、あの双子をそれほどの脅威と認識している裏返しとも…言えた。
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