概要
紀元前6世紀、春秋時代。中国は山西省に晋という大国があった。いずれ大臣として国を担う若い貴族たちは研鑽どころか、怪異に巻き込まれたり踏み入れたりとドタバタしていた。
文武両道でイケメンだけど傲岸不遜かつ自信家すぎてざんねんな主人公・士匄と、美少女風美青年で生真面目ド根性な後輩・趙武がバディとなり、呪い、祟り、怪異を謎を解いたり対峙する、オカルト中華ファンタジー青春コメディです。
【一章】因果応報、春の祟り
大貴族の後継ぎ、有能だが傲岸不遜な青年『士匄(しかい)』は、難癖をつけてきた狂人を返り討ちにする。
しかし、それは怪異の始まり。
雑多な霊に憑かれはじめ、果てには親子ともども処刑の危機へ。
後輩で相棒の
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- ★★★ Excellent!!!青春はモラトリアム、遊んでいられるのも今だけよ?
古代中国、春秋戦国時代が舞台──といってもまったく構える必要はありません。私もほとんど知識はありませんでしたが、どっぷり物語に浸かって楽しむことができましたので!
霊や神や怪異を引き寄せる霊感体質の傲岸不遜な俺様先輩・士匄さんと、美少女めいた容姿ながら舌鋒は辛辣&根性もある後輩・趙武くんが祟られたり呪われたり、異界を彷徨ったり生贄にされかけたりしつつ知恵と度胸で切り抜けていく物語です。
傲岸不遜ゆえにピンチに陥る士匄さん、読んでいて反感を覚えそうなものなのですが、傲慢も一周すると高すぎる自負と自尊心ゆえに自らを律し毅然とした振る舞いになる……という不思議現象が起きるので、応援できる主…続きを読む - ★★★ Excellent!!!古代中国を十二分に感じられ…………ん?
ちょっと仰々しい物言い
うん、中国だよねぇ
占いとかが迷信じゃなくて現実として捉えられる
うんうん、古代中国って感じ
偉い人が下々の者を人扱いしない
あるある、三国志とかでもよく見るよね
登場人物がスパダリって言う
そうそう、古代中国物って言ったらこれだよね!
…………ん?
時代としては紀元前六世紀(紀元前600年~501年)の春秋時代。
封神演義の太公望が有名な殷は紀元前1000年あたり。
始皇帝で有名な秦が紀元前220年位。
魏呉蜀の三国志の時代は紀元後220年位。
なのでどの程度の時代か、分かってもらえるかと思います。
ガッツリ古代中国してるけど、要所要所に現代の言葉…続きを読む - ★★★ Excellent!!!伝説と歴史の境目の時代。……とはいえ、青春時代のイタさは変わらない?!
本作の登場人物の活躍した時代は紀元前六世紀。
これは中華の歴史において「春秋時代」
殷周革命(太公望が活躍する『封神演義』の時代!)の紀元前千年代なかばと、統一秦の時代(『キングダム』!)の紀元前二百年代とのふんわりまんなかあたり……
こう「伝説の彼方の時代」と「歴史叙述の時代」の中間地点にあたるんじゃないかと思う。
孔子さまが「怪力乱心を語らず」なんて嘯く時代ももう目の前ですが、『山海経』に出てくる饕餮やら開明獣やらが実際にいると信じられていた時代でもある。
そんな時代、軍事超大国の晋、ある意味君主より羽振りのいい大夫の後継者や若き当主といえばそりゃもう、
☑教養豊か
☑礼節を弁えて…続きを読む - ★★★ Excellent!!!本来あるべきオカルトファンタジー
オカルト、オカルトファンタジー物というと、だいたい想像するのは、妖怪とか悪魔でてきて、それを霊能者とかエクソシストとか召喚士とかが、炎ボーン! 雷バリバリィ! 絶対零度でカチコチィ! 呪いでよくわかんないけど死んだー! とかまぁ脳筋能力バトルになるわけです。
本作は古代中国を舞台としたオカルト物でありながらも、先にあげたような物凄い超能力者(ある意味凄いが)とか超つえぇ退魔士とか出てくるわけじゃない。
主人公は学識高く頭も切れ腕っぷしもありガキ大将気質だが少々暴れん坊な貴族の子。そしてその子分であり相棒の貴族が軸となって物語は進む。
なんやかんやで怪異と遭遇するも、どう沈めるべきか文献を…続きを読む