概要
賽の目こそ、我が命。勝てば人質、負ければ贄。肌は太鼓の皮となる。
紀元前六世紀、春秋時代。山西省に晋という国があった。
晋の有力貴族の令息、荀罃(じゅん/おう)は楚との戦争で虜囚となった。
虜囚となった荀罃に、楚王は言い放つ。
「古来からの取り決めにより、贄とし、汝を祖霊に捧げる。その皮を以て鼓を作り、その血を以て鼓の彩りとしよう。骨は廟に捧げられ、肉は宴に捧げられる」
しかし、しかし
「我が臣がそちらの虜囚になっていることもある。汝を贄にするか、質にするか、遊戯で占おうではないか」
運任せの盤上遊戯で、己の運命を切り開けるか。
※毎日17時に更新します。2500年くらい前の人間がひたすら卓ゲーしてる話です。
晋の有力貴族の令息、荀罃(じゅん/おう)は楚との戦争で虜囚となった。
虜囚となった荀罃に、楚王は言い放つ。
「古来からの取り決めにより、贄とし、汝を祖霊に捧げる。その皮を以て鼓を作り、その血を以て鼓の彩りとしよう。骨は廟に捧げられ、肉は宴に捧げられる」
しかし、しかし
「我が臣がそちらの虜囚になっていることもある。汝を贄にするか、質にするか、遊戯で占おうではないか」
運任せの盤上遊戯で、己の運命を切り開けるか。
※毎日17時に更新します。2500年くらい前の人間がひたすら卓ゲーしてる話です。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!天を味方につけるとは
生まれながらにして天に愛されているとしか思えない人がいる。
才能豊かという意味でもそうだし、行った努力、研鑽が着実に身について上手くいく。そして絶体絶命の窮地をことごとく切り抜ける。
本作の主人公である荀罃は、才能はある。努力も研鑽も積んできた。が、おのれの心に宿った焦りや侮りの結果、陥った窮地を切り抜けるだけの戦場での「運」はなかった。
結果、彼は敵国の虜囚となり、もう一度、おのれの「運」と向き合う羽目になる。
生まれながらにして天に愛されている、楚の王……まさに剛運の持ち主と、出目は当然、運でしかない骰子遊戯で勝たねばならなくなったのだ。
結果は、冒頭の章にあるとおりで…続きを読む