画面の中の美少女へ

ほぼ全ての登場人物が疑われては、逆に疑う側にもなり、見事に読者を翻弄する手腕はプロの仕事のよう。
そして今時のジェンダー問題にもさりげなく触れて……尚且つこのタイトル。

これは必見のミステリーです！

謎と嘘が散りばめられた中で、誰一人として油断できない、そんな状況が誘引力となる物語ですが、気がつくとキャラクターたちに感情移入し、応援し、先を読みたくなってしまいました。
SNSという題材を本当にうまく扱っており、SNSによって、世界の価値観がどれほど大きく変わったのかが垣間見えました。
同じ作者の『君の嘘は優しくない』もおすすめで、次々に連鎖する謎に引き込まれていきますが、こちらもどんな結末を迎えるのか楽しみにしています。

承認欲求、SNS の闇などの題材にのせて明かされていく登場人物たちの人物像が明確で、内容に反して会話文も重すぎず、想像しながら読み進めた。アヤカのキャラが表裏ともに好き。

タイトルから1話で完全に惹きこまれます。
題材が突飛なものでなく、身近な題材ということもありますが、演出が書籍モノかと思うほどに洗練されていました。
私自身が読みなれていないにも関わらず情報が過多となるわけではなく、理路整然とした流れで読み手に伝わるため、まさにこの物語を体感している、という感覚に陥ることができます。

ミステリーなので流れに任せると爽快ではないか、という気持ちと、ジッチャンの名のかけて、真実はいつもひとつ、をしたいがために隅々まで思考を巡らせたい気持ちがとてもせめぎ合い結果読み進めてしまうというとても素晴らしい作品となっています。

まだ私は序盤に触れただけですが、下手に内…続きを読む

　間違っていたら作者さま、ごめんなさい。物語としては「虚構推理」にちょっと雰囲気が似ている「ホラー」よりの「ミステリー」という印象を私は受けました。なので、「ミステリー」は好きだけど「ホラー」は苦手って人は、ちょっと敬遠しがちな作品なのかもしれません。

　ただ「ホラー」も「ミステリー」も大好物の人には、もう、これ以上の作品は無いと思います。前半から物語を覆う「静謐」だけど「どこか不気味」な雰囲気。人間模様の「闇」。ほんと、こういう「独特」の雰囲気、「グッ」とくるんですよ。もう、前半10話で「心臓」を鷲掴みにされるような「独特」と「スペシャル」な魅力がつまった「語り口」でして、ほんと、すごい…続きを読む

その裏で、 S N Sや配信といったものが主とならざるを得ない現在の人間の姿があぶりだされて行く。

　最初の数話の時点で、登場人物たちが信用できなくなっていきます。

　この信用できないというのは、物語の構造上『この人物は嘘をついているかもしれない』と読者に思わせるような作りになっているからですね。

　主人公は、ＳＮＳ上に憧れている人物がいました。

　しかしその憧れている人物が、ある日まるで殺されたような動画が投稿されて、実際行方不明になってしまいます。

　主人公は、その人物と同じ学校に通っているため、憧れの人物を探すこと、および犯人探しに乗り出します。

　ですがレビューの最初に触れたように、登場人物たちが信用できない人物として描かれているため、物語の全貌が霧に包まれたみたいに隠さ…続きを読む

このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む（105文字）

この物語は、インフルエンサーとしても活躍する少女・マリアのの殺害動画がSNSで投稿されるところから始まります。
新たに投稿された内容で安否が確認されたように見えた。だが、彼女は本当に生きているのか？と真相を探るために、主人公の少年が動き出します。
　登場人物の心理描写が丁寧でひき込まれます。少しずつ『マリア』に関する情報が明らかになっていくこの物語が、どんな結末を迎えるのか気になります。

このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む（102文字）