第32話 スライム洞窟
ホーンラビット狩りを終えた翌日、いつも通り森の入り口近くまで来た。
今まではこのまま森へと進んだが今日からは森には入らず、近くに見える川の方へと歩いて向かう。
森の入り近くから10分ほどで川に辿り着く事ができた。
そんなに疲れてはいなかったので休憩せずそのまま川沿いの道を進むことにした。
川沿いの道を歩いて数分ほどで目的の魔物――スライムを発見した。
「《鑑定》」
――――――――――――――――――――
【名前】スライム
【レベル】1
【HP】30/30
【MP】300/300
【攻撃】10
【防御】10
【敏捷】10
【魔攻】10
【魔防】10
――――――――――――――――――――
ゴブリンと同じパターンでスライムもスキル未所持の魔物だった。
昨日まではホーンラビットを狩っていたので【敏捷アップ】スキルも育てながらだったから美味しかった。
今日から狩り始めるかも? のスライムはゴブリンと同じでスキル未所持だから……既にやる気がかなり下がっている。
とりあえず一匹狩るか。
スライムは半透明でジェル状の魔物だ。
中心に核を持っていて、その核を壊すと体を保つ事が出来なくなる。
パッと見は青くて小さい魔物だが、じっくり見てみるとうっすらと中心に核を見つける事ができた。討伐する際はあれを狙えばサクサク狩ることができるだろう。
スライムは見た通り『最弱の魔物』と呼ばれている。同じ最下級魔物のゴブリンには数の脅威があり、ホーンラビットには『初心者狩り』と呼ばれるだけの速さがある。
だがスライムは核という凄く分かりやすい弱点を持ち、攻撃面に関してはほとんど脅威がない魔物だから『最弱の魔物』と呼ばれるのも納得だ。
そんなスライムではあるが、剣が効きにくかったりと苦戦するとこもある。
攻撃面に関してはほとんど脅威がないが、スライムの体内に手を突っ込んで放置しているとダメージを食らう。
スライムの一番の特徴としては死んだ魔物や動物を丸ごと取り込み消化する。
つまりスライムの体内は消化力が高いので手を突っ込んで放置していると、徐々に消化されてしまうのでダメージを受けてしまう。
それも対策として魔力を手に纏えば問題ないので近接武器で攻撃するなら魔力を纏い、遠距離からの魔法攻撃とかなら特に対策せずに簡単に狩ることができる。
ただスライムから得られる素材は殆どないので、初心者でも数回討伐したら旨味がないから他の魔物を狙い始める。
素材といえば、ホーンラビットなら角や肉などがあるから狩り初心者には人気だ。
俺は今まで効率重視で魔物の解体は一度もぜずに、討伐したらそのまま放置で次の魔物を狩っていた。
放置したホーンラビットは他の魔物に食われるか、スライムが消化して処理してくれたのだろう。
スライムは『最弱の魔物』だが死んだ魔物を見つければ丸呑みして消化し、処理してくれている。
かなり環境に良い優秀な魔物だ。
そんな理由と素材の旨みがないスライムは見つけても放置することが多い。
俺の場合は固有スキル【圧死奪纏】があるから関係のない話だが。
いつもの様に重力魔法を使い、スライムの真上から短剣を一振りして核を壊した。それから数秒でスライムは体を保つことが出来なくなり討伐完了だ。
スライムを初討伐したので〈纏一覧〉から達成条件を確認する。
――――――――――――――――――――
〈魔物〉
・ゴブリン4371/100000
・ホーンラビット100062/10000000
・スライム1/10000
――――――――――――――――――――
なるほどゴブリンの10万ほど多くはないが、ホーンラビットの1000よりも多い1万スタートか……スキル未所持だし達成条件1もスルーしても良さそうだな。
このままスライム狩りをしても、スライムのレベルも低くて効率が悪いから『スライム洞窟』へ向かうことにした。
『スライム洞窟』は川沿いの道をこのまま進むと行き止まりになり、そこから川とは反対方向へ行けば、見つけることができる洞窟だと図書館で読んだ本に書いてあった。
それから一時間ほど歩いて、それらしい洞窟を見つけることができた。
中に入って一番最初に見つけた魔物がスライムならここが『スライム洞窟』で間違いないだろう。
問題なくスライムを見つけることが出来たのでサクッと倒して一度外に出る。
来た道などを軽く確認し『スライム洞窟』攻略前に休憩する事とした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます