第53話 動き出した悪意
〈犬人と小鬼ダンジョン〉が終わり、行くダンジョンがねぇーーとなってから三カ月以上もの時間が過ぎた。
二回目の〈紛れ込む小鬼ダンジョン〉ボス部屋周回も今日で終わりを迎えた。
今回の周回は【敏捷アップ】スキルが両方ともスキルレベルが7になったら、流石にそれ以上は成長効率が悪過ぎるので、そのタイミングで終わりにしようと決めた。
二回目の周回を終えて〈纏一覧〉とステータスはこんな感じになった。
――――――――――――――――――――
〈魔物〉
・ゴブリン100449/10000000
・ホーンラビット101108/10000000
・スライム1074533/100000000
・ロッククラブ111857/10000000
・ゴーレム100000/10000000
・ウルフ1170774/10000000
・コボルト100000/10000000
〈纏〉
・ゴブリン
・ホーンラビット×2
・スライム×2
・ロッククラブ×2
・ゴーレム×2
・ウルフ×2
・コボルト×2
【HP】760
【MP】822
【攻撃】564
【防御】552
【敏捷】447
【魔攻】162
【魔防】162
<スキル>
【土魔法(D)】【剣術(D)】
<パッシブスキル>
【敏捷アップ】【MPアップ】
【防御アップ(D)】【敏捷アップ(D)】
【攻撃アップ(D)】
――――――――――――――――――――
【名前】グラン・レイブン
【種族】人族
【年齢】10
【レベル】56
【HP】2810/2810〈+760〉(+100)
【MP】105180/105180〈+822〉(+12000)
【攻撃】874〈+564〉(+80)
【防御】982〈+552〉(+200)
【敏捷】1480〈+447〉(+600)
【魔攻】392〈+162〉
【魔防】392〈+162〉
<固有スキル>
【圧死奪纏】【鑑定・偽装】
<スキル>
【重力魔法6】【魔法支配4(制限)】
【水魔法3】【土魔法6】【土魔法(D)5】
【魔力感知6】【魔力操作6】
【魔力制御6】【魔法耐性5】
【気配察知5】【聞き耳3】【忍び足3】
【身体強化5】【体術3】
【剣術5】【剣術(D)3】【短剣術4】
【加速5】【縮地2】
【受け身3】【受け流し5】
【見切り4】【並列思考4】
【言語理解8】【速読7】【暗記8】
【算術8】【地理5】
<パッシブスキル>
【HPアップ(D)1】【MPアップ6】
【MPアップ(D)6】【MP強化3】
【防御アップ(D)6】【攻撃アップ(D)4】
【敏捷アップ7】【敏捷アップ(D)7】
【敏捷強化3】
――――――――――――――――――――
〈纏一覧〉の方は、ウルフのレベル合計が100万以上増えただけで変化はない。
二回目の周回は一日にボス部屋を15周する事を95日間もした。
約三ヶ月間でウルフの討伐数は8550匹、その内ウルフリーダーが1425匹だった。
なかなかアホな討伐だよな……間違いなく今年のウルフ討伐数一位は俺だろうな。
これだけのウルフを討伐した事でスキル方はいくつか成長した。
まず【敏捷アップ】スキルが両方ともスキルレベル7になり【敏捷強化】スキルもレベルが一つ上がり3となった。
敏捷の強化倍率が1.2倍から1.3倍に上がったことにより、敏捷がさらに70ほど高くなったのはなかなか大きいだろう。
ウルフリーダーを1000匹以上も倒したことで【攻撃アップ(D)】スキルもレベルが一つ上がり4となった。
次は魔法関連のスキルだ。
一日に消費できる魔力が順調に増えたおかげで【魔力感知】【魔力操作】【魔力制御】スキルのレベルが5から6に上がった。
狩りを始めてから自身に対して重力負荷を掛ける機会が減った影響か? 【魔法耐性】スキルの方はレベルが上がらなかった。
パッシブスキルの【MPアップ】も両方ともレベルが上がり6となり【MP強化】スキルも2から3とレベルが一つ上がった。
これらの成長のおかげで総魔力量はなんと10万を超えた。
狩りを始めた時と比べると20倍以上にもなっている。
今回の成長の中では一番分かりやすく、強くなったと実感する事ができた。
他のスキルは【並列思考】と【見切り】のレベルがそれぞれ一つ上がり4となった。
二回目の〈紛れ込む小鬼ダンジョン〉ボス部屋周回もしっかりと成果を得られたのは良かったが……これで明日からは本当にやる事がなくなった。
対策を考えないといけないと何度も思っていたが……先に伸ばしになってしまった。
明日からは狩りを一旦やめ、今後について真剣に向き合おうと思う。
そんな、俺の悩みは翌日。
父上に呼び出された事によって、あっさりと解決する事になった。
〜〜sideリック(義弟)〜〜
グランが成果を確認している同時刻。
「リックちゃん順調かしら?」
「母様、心配する必要がないほど、順調に強くなってきています。既にアイツよりも強くなったと自信がありますよ」
「それは良いことね。もし今、あの女の息子と決闘したら必ず勝てるのかしら?」
「ええ、何回やっても僕が勝ちます!! 午前中に剣術の稽古をしている時に、騎士団長に聞いてみたところ――」
夕食後に母様の部屋へと呼ばれた。
来週の7月2日に僕はアイツと決闘をするつもりだ。決闘については、選定の儀を行った日の夜に母様と話し合って決めた。
本当は一ヶ月以内にアイツとの違いをレイブン家内の皆に見せつけたかったが……僕の固有スキルが戦闘特化ではなかった事を考えて、確実に勝てるだろう二ヶ月後にアイツへ決闘を申し込むことに決まった。
その事について問題がないのか? と母様が心配してくれたから、午前中の騎士団長との会話を思い出しながら母様に話をしている。
「騎士団長に一つ聞きたい事があります」
「ええ、いいですよ」
「僕の選定の儀からもうすぐ二ヶ月が経ちますが、今の僕ならあの義兄と戦っても勝てるでしょうか?」
「リック様とグラン様ですか……リック様のレベルはどれくらいに上がりました?」
「前回の魔物狩りで35まで上がりました」
「そうですね……グラン様の固有スキルが戦闘でも役に立たないこと。才能値が『オール・ワン』になってしまったこと。それに加えてもし魔物を狩っていたとしても騎士団などの付き添いがない事を考えると……どんなにグラン様が頑張ったとしてもレベル50の壁は越えられないでしょう」
「グラン様のレベルを仮に50だと考えても、才能値が『オール・ファイブ』のリック様と攻撃、敏捷などを比較した場合、倍以上の差があるでしょうから……普通に考えれば多少苦戦したとしても間違いなくリック様が勝つのではないでしょうか?」
「やっぱり、今の僕のが強いんですね。一つ気になったのが……あの義兄と戦って、僕が苦戦する事はあるのでしょうか?」
「可能性としてはありますね。攻撃、敏捷などのステータス差を見れば、リック様が圧倒的に有利ですが……グラン様のスキル数、スキルレベルは今でもリック様以上でしょう。グラン様の現在のレベルにもよりますが……苦戦する可能性もあると、私は考えるべきかと思います」
「確かに……スキルに関してはそうかもしれないですね。もしあの義兄が選定の儀からレベルが上がってないとしたらどうですか?」
「その場合はリック様に対して、手も足も出ないでしょうね。流石にスキル関連で上回っていたとしても、ステータスの差が五倍以上もあれば、戦況には影響しないでしょうな」
騎士団長が言うには、もしアイツが魔物狩りをしていて、レベルが上がっていた場合は苦戦する可能性もあると。
アイツが選定の儀からレベルが変わっていなければ、ステータス差があり過ぎてアイツは僕に手も足も出ないそうだ。
どちらにせよ、騎士団長の考えでは僕の方が強いから問題はないだろう。
「――という感じです」
「なるほどね……あの女の息子が魔物を一人で狩っているとは思えないし、特に問題はなさそうね」
「必ず!! 僕が圧倒的に勝つので、予定通りアイツとの決闘をやらせて欲しいです」
「ええ、いいわよ。この時間ならまだ大丈夫でしょうし、今からラクサスに決闘について話しに行くわよ」
「今からですか?」
「そうよ。多分……この時間だと一人で執務室に居ると思うから丁度いいのよ。決闘については三人だけで話し合わなきゃいけないでしょうしね」
「……確かにそうですね。では、父様のところに行きましょうか」
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