第26話 圧死奪纏
今はベットに横になりながら、ステータス画面を見ている。
昨夜、固有スキル【圧死奪纏】を確認していたら変化があった。
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【圧死奪纏】
効果1
【重力魔法】スキル取得
効果2
重力魔法に限り自由自在に操ることができ必要最低限の魔力消費で発動
効果3
重力魔法による影響を受けた対象が死亡した場合に限り僅かに力を奪い纏える
〈纏一覧〉
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効果3のところに〈纏一覧〉が追加されていた。そこを押してみると――
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〈魔物〉
・ゴブリン0/100000
〈纏〉
・なし
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昨日は、父上の前だったので重力魔法を使わずに討伐した。だから〈纏〉のところが、なしと書かれてるのは理解できる。
問題は、ゴブリン0/100000のところだ。
重力魔法を使わなかったから0なのは分かるけど……10万て何だよ?
もしゴブリンを10万匹も討伐しないと力が纏えないのなら、難易度高過ぎだろ。
あんな醜い魔物を10万匹も狩ってたら……冗談抜きで気が狂いそうだよ。
明日は10万が何なのか?
それについての検証をする為に、あの森へゴブリンを狩りに行く。
〜〜翌日〜〜
朝食を済ませて部屋に戻ってきた。
剣術の稽古の服装になって、その上から黒のフード付き外套を着る。
新しい武器の〈不破の重短剣〉は一本だけ装備して、腰巻き鞄に変装用の布マスクなど必要な物を入れて準備完了だ。
昨日と同じ様に屋敷の外に出てからフードを深く被り、布マスクを付けてから領都門の方へと向かう。
門を抜けるまでに何度も、不審な目で見られたがしょうがない。フードを深く被り、布マスクを付けた少年が歩いていれば、誰だって気になるのは自然なことだ。
馬車では30分ほどで森の入り口まで着いたが、徒歩だと一時間半くらい掛かりやっと森の入り口へと辿り着いた。
15分ほど休んでから森の中に入り、ゴブリンを探すとすぐに見つかった。
前方から三匹のゴブリンがニヤニヤとしながら近づいて来た。
前回は父上と一緒だったからゴブリンは怯えていたが、今回は少年の俺しか居ないから良い獲物だと思っているんだろうな。
「まずは《重力負荷》三倍でどうだ?」
「「「ッッッ!?」」」
ゴブリン三匹に重力負荷を三倍で掛けたところダメージは無さそうだが、まともに動けなくなったみたいだ。
「まずはお前からな」
「「ッッ!?」」
【身体強化】スキルを発動し、一匹の首を短剣で切りつけるとあっさりと切断された。
ヤッバ! 〈不破の重短剣〉強過ぎるだろ? ゴブリンの頭に当たった瞬間に――短剣を元の重さに戻して、切断後にまた重さを無くしてみたところエグかった。
短剣なんて使うの初めてなのに、前回ゴブリンの頭を長剣で切り落とした時よりもあっさりと切断することができた。
短剣はまだまだ使い慣れないけど、武器のおかげでどんどん狩れそうだ! 残りの二匹もサクッと頭を切り落として討伐完了。
さて、確認するか――
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〈魔物〉
・ゴブリン3/100000
〈纏〉
・なし
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マジかよ! 討伐は順調でもこっちは絶望的だな〜流石にゴブリン10万匹はキツい。
とりあえずレベルも上げたいし、もう少しだけゴブリン狩りするか。
「ゴブリン一匹か〜」
新たに見つけたゴブリン一匹をサクッと同じ流れで討伐した。
結果は同じだろうが、もう一度確認する。
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〈魔物〉
・ゴブリン5/100000
〈纏〉
・なし
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「ッッ!? なんで2増えてるんだ?」
どうしてだ? 考えても分からないからゴブリンを見つけてもう一度狩るか。
「ゴブリン五匹みっけ《重力負荷》10倍からの《鑑定》」
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【名前】ゴブリン
【レベル】1
【HP】60/60
【MP】20/20
【攻撃】30
【防御】30
【敏捷】15
【魔攻】10
【魔防】10
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【名前】ゴブリン
【レベル】2
【HP】70/70
【MP】22/22
【攻撃】33
【防御】33
【敏捷】16
【魔攻】11
【魔防】11
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おお! 鑑定できたぞ!!
父上や騎士団長とかは鑑定が出来なかったのは、実力差があり過ぎたのかな?
ゴブリンの鑑定結果から希望が見えた!
「サクッと倒すぜ!」
重力負荷10倍で動けなくなったゴブリン達をどんどん討伐していく。
流石に10倍だと魔力の減りがはやいな。
次からは気をつけよう。
そして――
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〈魔物〉
・ゴブリン12/100000
〈纏〉
・なし
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よし! 予想通りだ。
レベル1ゴブリンが三匹とレベル2ゴブリンを二匹討伐で7上がった。
ゴブリンを10万匹倒すのではなく、倒したゴブリンのレベル合計が10万て意味だった。
キツいのは変わらないが、レベル10のゴブリンを倒せば1万匹で良くなった。この差はかなり大きいぞ! 他の魔物も倒してみてどの魔物で〈纏〉条件を達成するか決めよう。
次は――ホーンラビットだ!
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