第49話 犬人と小鬼ダンジョン
今日からは〈犬人と小鬼ダンジョン〉に来ている。これまでの1階層は洞窟エリアと草原エリアで、今回のエリアは森だった。
草原エリアと同じように広い空間だけど木が沢山あるので、視界は草原エリアと比べると悪く感じる。
今回のダンジョン攻略は1から3階層までは鑑定だけして正しい方向を確認し、ゴブリンとコボルトは無視して進むことにした。
中ボス部屋前まで行ったら休憩を挟み、時間が許せば一回ボス部屋まで攻略するつもりでいる。その後は、ホフゴブリンやコボルトリーダーの所持スキルなどから今後の予定を考えようと思っている。
今は中ボス部屋の扉の近くで休憩を終え、扉に触れているところだ。無音で扉が開き、閉まる前に中へと入って行く。
今までのボス部屋と造りが変わらないみたいだ。いつもの様に、敵として認識されないギリギリまで近づいて鑑定する。
「《鑑定》」
――――――――――――――――――――
【名前】ゴブリン
【レベル】40
【HP】1050/1050
【MP】218/218
【攻撃】327
【防御】327
【敏捷】114
【魔攻】109
【魔防】109
――――――――――――――――――――
【名前】ホブゴブリン
【レベル】40
【HP】1575/1575
【MP】218/218
【攻撃】490
【防御】490
【敏捷】171
【魔攻】109
【魔防】109
――――――――――――――――――――
ウルフリーダーの時と同じでレベルは40で統一されていた。この部屋には中ボスのホフゴブリンとゴブリンが10匹いる。
数はウルフリーダーの時よりも多いが、討伐難易度的にはこちらの方が楽だろう。
残念なのは上位種のホフゴブリンがスキル未所持だったことだ。
スキル経験値が稼げないから中ボス部屋は周回したとしても、ゴブリンを一回纏うくらいで止めるだろうな。
サクッと終わらせて次に進もう!
俺はゴブリン達に近づきながら、重力魔法で重力負荷を軽く掛けて、短剣で10匹のゴブリンを討伐した。
最後に残ったホフゴブリンは短剣で攻撃しながら、土魔法の岩弾を頭に撃ち込んだら簡単に討伐できた。
ウルフと比べてしまうと弱過ぎる。
ウルフは重力魔法で無力化しないと動きが速くて避けきれず、短剣で攻撃を受け流して防御をする必要があった。
対してゴブリンは最低限の動きで避けていれば、一方的に攻撃して終わってしまうから弱く感じる。
ゴブリンは数が多ければ、苦戦する事もあるかもしれないが……今の俺にはゴブリン10匹程度だと何の脅威も感じないな。
このままボス部屋へと向かう。
ボス部屋に入った俺は、いつものように近づいて鑑定をする。
「《鑑定》」
――――――――――――――――――――
【名前】コボルト
【レベル】50
【HP】1540/1540
【MP】318/318
【攻撃】641
【防御】318
【敏捷】641
【魔攻】164
【魔防】164
――――――――――――――――――――
【名前】コボルトリーダー
【レベル】50
【HP】2310/2310
【MP】318/318
【攻撃】961
【防御】477
【敏捷】961
【魔攻】164
【魔防】164
<スキル>
【剣術(D)3】
――――――――――――――――――――
ゴブリンよりは強いけど、ウルフと比べちゃうと弱いな。
コボルトリーダーは【剣術(D)】スキルを所持しているのか。
確かにコボルトリーダーだけ剣を持っているけど……なんか似合わないな。
コボルトの見た目は犬のような顔、全身に毛が生えていて、尻尾がある魔物だ。
ウルフと同じで四足歩行だろ? と思えるような見た目だが、少し姿勢は悪いが二本足で立っているから二足歩行だ。
コボルトの爪はウルフ程ではないが鋭い爪があり、引っ掻きなどの攻撃がくることが見た目から予想できる。
コボルトリーダーは片手に剣を持っているから剣を使って攻撃してくるのだろうが……姿勢が悪くて剣術が似合わないし、なんか弱そうに見える。
正直、剣を捨てて普通に鋭い爪を使って攻めた方が強いのでは? と思ってしまうが実際に戦ってみないとわからない。
よし! コボルト狩りだ。
中ボス部屋の時と数は同じでコボルトリーダーとコボルト10匹が部屋の中心にいる。
討伐の流れはゴブリンの時と変えずに重力負荷をコボルト達に軽く掛け、近い順から短剣で討伐し、最後に残ったコボルトリーダーを土魔法攻撃も混ぜながら戦う。
コボルトリーダーは見た目に似合わず、意外と剣術が上手かったのには、少し驚きはしたけど予想通り弱くてあっさりと討伐した。
全体的にゴブリンと比べたら動きも速く、力もあったが正直どちらも弱かった。
ウルフの前に戦っていれば少しは楽しめたかもしれないが、後だと物足りなく感じる。
戦闘を終えて、そんな事を感ている自分に対して、俺はいつから狩りを楽しんでいたんだろうか? とふと疑問に思ったのだった。
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