第28話 ホーンラビット
今日はホーンラビットを狩る為に、ゴブリンがいた森とは反対方向の道を進んでいる。
領都門を出てから40分ほどで森の入り口が見えてきた。ゴブリンの方と比べて半分くらいの時間で来ることができた。
今回も森に入る前、少し休憩してからホーンラビット狩りを始める。
森に入ってから15分ほどでホーンラビットらしき魔物のを見つけることができた。
まだ一匹目なので分からないが、もしかしたらゴブリンよりも探すのが難しいかもしれない。五歳の時に読んだ本に世界で一番多い魔物はゴブリンだと書かれていた。
魔物の中で繁殖力が一番凄いらしく、世界の常識で『ゴブリンは一匹見つけたら、最低でも100匹はいる』とも書かれていた。
ホーンラビット狩りは来るのは楽だが見つけるのが大変かもしれないな。
まだこちらの存在には気づいてないホーンラビットの見た目は白い毛に、赤目で、額に角が生えている。
冒険者ギルドの図書館で読んだ情報によるとかなり動きが速く、額に生えた角を武器にして突進してくるらしい。
ホーンラビットの別名は『初心者狩り』と言われている。何でも狩りを始めたばかりの時に一番怪我をする魔物とも言われていて、当たりどころが悪いと亡くなることもある。
俺の場合は五歳の時から剣術の稽古をし、戦闘慣れしているので大丈夫だろう。
それに重力魔法でホーンラビットの動きを遅くすれば問題なく狩れると思う。
「《鑑定》」
――――――――――――――――――――
【名前】ホーンラビット
【レベル】1
【HP】30/30
【MP】30/30
【攻撃】50
【防御】20
【敏捷】100(+40)
【魔攻】10
【魔防】10
<パッシブスキル>
【敏捷アップ2】
――――――――――――――――――――
なるほど、ゴブリンよりも耐久が低いがその代わりに攻撃と敏捷が高いな。
ゴブリンはスキルなしだったが、ホーンラビットはパッシブスキルの【敏捷アップ】を持っているのか。
元の敏捷が60で【敏捷アップ2】の効果で40増えて敏捷100か。俺の敏捷よりもホーンラビットレベル1の方が倍近くもあるか……なんか悔しいな。
よし! 狩るか。近くにあった石を手で掴みホーンラビットへと投げる。
「ッッ!?」
俺の存在に気づいたホーンラビットがマッタリモードから戦闘モードに切り替わる。
近づいてきたホーンラビットが一瞬で加速し、かなりの速さで俺の胸元を目掛けて突進してきた。
「はや! 《重力負荷》三倍」
ホーンラビットに重力負荷三倍を掛けて、攻撃を短剣で受け流す。
「まだ速いな! 次は《重力負荷》五倍だ」
一回目の突進は予想以上に動きが速かったので、攻撃の構えから守りの構えに変えて受け流した。二回目は重力負荷を五倍に増やしてすれ違いざまに横っ腹ら切り裂いた。
「ふぅー思ったよりも速かったな」
予想以上の瞬発力に加え、跳躍力もあってホーンラビットの動きがより速く感じた。
ただ耐久がゴブリンと比べてもかなり低いから、動きに慣れてしまえば簡単に狩ることができると思った。
あまり戦闘慣れしてなくて重力魔法みたいな妨害ができる能力がなければ、初見のホーンラビットは苦戦するだろう。
狩りの初心者が大怪我や亡くなる可能性があるのも納得だ。流石は『初心者狩り』と言われる魔物だ。
ホーンラビット初討伐も終わったことだし〈纏一覧〉を確認するか。
――――――――――――――――――――
〈魔物〉
・ゴブリン73/100000
・ホーンラビット1/1000
〈纏〉
・なし
――――――――――――――――――――
おお! ホーンラビットはレベル合計1000で力が纏えるのか。討伐もそこまで難しくないし、最初に纏う魔物はホーンラビットで決まりだな。
やっぱりゴブリンのレベル合計10万はおかしいよな……もしかして数の多い魔物は沢山倒さないと纏えないけど、逆に数が少ない魔物なら10体とかでも纏えるかもな。
もし魔物の数で決まってるのだとしたら、ゴブリンはホーンラビットの100倍も世界中にいることなるのか……想像しただけなのにかなり嫌な気分になるな。
よし! 遭遇率がまだ分からないからどれくらいの時間が掛かるか分からないけど、ホーンラビットのレベル合計が1000になるまで狩りまくってやる。
狩り終わる頃には俺のレベルも10くらい?には上がってそうだし〈纏〉の能力もその頃には、ある程度わかってくるだろうな。
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