第22話 Aクラス
入学式を終えたアブソリュート達はその場でクラスを言い渡された。受験時の成績順AからEと振り分けられる。勿論アブソリュートはAクラスだ。
……もし私が、Aクラスから漏れたら原作ブレイク出来ただろうか…
一瞬妙案だと思ったが、閃いた考えを即座に否定する
…いや、アブソリュートである私がAから
落ちるのは流石にダサすぎる。
私みたいな偉そうな強キャラは一回格が落ちるとすぐにネタキャラ扱いされるからな。
「…申し訳ありません。アブソリュート様を補佐すべき立場の私が、違うクラスになるなんて…」
落ち込んだ声でクリスが声をかける
クリスは戦闘が苦手なので模擬戦の試験であまり評価が良くなくBクラスになった。落ち込むクリスの肩をレディが叩く。
「御安心下さいまし、クリス様。アブソリュート様の補佐はこのレディが務めますので!
何からナニまでお世話させて頂きますわ!」
レディがクリスを慰めるように言うが逆効果らしく、歯をぎりぎりと悔しいそうにならすクリス。
ばちばちの2人を無視する
「他にAクラスになったのはウチの派閥からは
オリアナとミストか…。2人とも良くやった」
アブソリュートはAクラス入りを果たした
傘下の者に褒める。
オリアナ・フェスタ
近年傭兵から貴族入りを果たしたフェスタ男爵家の次女である。
フェスタ男爵家は傭兵からの成り上がり故に傭兵の間では顔が広く傭兵に対しての仕事の斡旋等を行っている。
性格は大人しめでいつもレディの後をついていってるイメージだ。
ミスト・ブラウザ
ブラウザ子爵家の長男
ブラウザ家はアーク家の裏の仕事に対して証拠の隠滅や死体処理を専門で行っている。
最近はアブソリュートの魔法で綺麗に片付いているためにあまり仕事がない。
裏の仕事の度に顔を合わせるようになってそれなりに話せる仲にはなった。
だが、ミストは糸目で腰の軽そうな話方をするためにアブソリュートはどうも信用できずにいる。裏切るなら此奴だと密かに思っている。
「いやいや、アブソリュート様の教育の賜物っすよ。自分1人じゃCがやっとですよ、ホント」
いかにもお世辞のようにおべっかを使う。
ミスト、それに対して無表情ながらも恐縮ですとでも言うかの様にひたすら礼をするオリアナだった。
本当にミストはすぐ裏切りそうだよなぁ。言葉の端々と顔から伝わってくる。裏切りが発覚したら容赦しないからなマジでそれに比べてオリアナはいい子だ。
いつもレディと一緒に私をよいしょしてくれる。
「ふん、お前のおべっかはうっとおしいからやめろ。他の者もまだ学園は始まったばかりだ。こらから上を目指せ、まだチャンスはある。
クリス、レディいつまでそうしてるつもりだ?行くぞ‼︎」
「「は、はいっ!」」
仲良く返事がそろう、クリスとレディだった。
他の者達もそれぞれ自分のクラスに向かいアブソリュート達もAクラスに向かった。
Aクラスに入ると既に中にいた者達から強い視線を向けられる。恐怖、侮蔑、殺意、興味様々な感情のこもった視線だ。
うわっ、めちゃくちゃ見られてるじゃん。ミカエルは親の仇に向ける顔してるし、あれ?勇者も何か睨んでない⁈
お前との敵対イベントはこの後だろ!敵対するの早すぎるだろ。いや、原作で最初から敵対してた気もするな、どうだろう。
「流石アブソリュート様、人気者は辛いですわね。大丈夫、私達が、ついておりますわ」
「まぁ、気楽にやりましょうや。アブソリュート様」
「…………………私もいます。」
レディにミスト、オリアナがそれぞれ励ましてくれる。
ありがたいけど、別に傷ついたわけじゃないよ。
まぁ、慣れてるし。ただめちゃくちゃ見てくるから驚いちゃっただけで。
ていうか、ジロジロ見てくるなんて失礼じゃない!一応上位貴族なんですけど。一回釘刺しておくか…
スキル発動 威圧‼︎
「お前ら、何をジロジロ見ている?殺すぞ」
(やべ、一言多かった。つい本音が出てしまった)
アブソリュートの威圧を受けてクラスの温度が一気に下がる。いきなりの威圧で全員が冷や水をいきなり浴びせられたような衝撃を受けた。
震えてアブソリュートから視線を落とす者が多い中、中には威圧に耐えているものもいた。
(…………流石に勇者は耐えてるな。
襲ってきそうだったが、婚約者のアリシア・ミライが羽交い締めで止めてる。それにミカエルも震えながら睨んでくるあたりちょっとだけ成長している。それに他にもちらほらと…かなり弱めに放ってはいるけど大したもんだ)
「あの、アブソリュート様…初っ端から喧嘩を売っていくスタイルすか?」
オドオドするミスト
「この圧力……アブソリュート様ホントに素敵ですわぁ」
見惚れるレディ
オリアナはレディに同調しコクコクと頷く
そこで第三者が後ろから声を放つ
「おい、お前ら入学早々暴れる気か?元気良すぎだろう。後で発散させてやっから今は席についとけ。なっ?」
声の主は先程入学式で紹介にあった、Aクラスの担任であった。名前はティーチという。
「それは誤解ですわ、アブソリュート様は視線に敏感ですのよ。なのに、教室に入って早々に舐める様に見られるものですから少し注意しただけですわ」
アブソリュートに代わって説明をするレディ。嘘は言っていない。確かにアブソリュートは注意しただけで手はあげていない。
「いや、普通に殺す言ってましたやん」
余計な事をいうミストは放置する。
「そうか、お前らこれからクラスメイトになる人物が気になるのは分かるがあまりジロジロ見るのは失礼だからやめとけよ。アブソリュート・アーク。お前もクラスの連中を威圧するな。敵を作りすぎると今後大変だぞ?」
どちらか一方に偏らず双方に注意か…
『絶対悪』のスキルで嫌われてる筈だと思うが、この先生はかなりの人格者かな?
「肝に銘じておきますよ」
それだけいいアブソリュート達は席に着いた
教室の中は戦々恐々としていたが、中に入った担任の介入で事なきを得た。
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皆様いつもお世話になっております。
作者のまさこりんです。
名前の由来は家族からそう呼ばれてるから
そのままつけました。
話は変わりますが、⭐︎1000突破しました。
皆様ありがとうございます。皆様の応援が
モチベーションに繋がり毎日が充実しています。
コメントをくれた方中々返せなくてすみません。
時間ある時にちょくちょく返せていければと思います。
これからも『悪役貴族に必要なそれ』を
よろしくお願い申し上げます。
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