第8話 アーク家とは
マリア・ステラとウルを購入してからしばらく経った。かなり関係は良好だとは思う。
(マリアに至っては主人公と起きる筈だった『お風呂イベント』まで起こったしなぁ。勿論、手は出してないよ?まだ、10才だから性欲がそんなにないんだよね。そこだけが悔やまれる。)
『ご主人様、お背中お流ししますね。ふふっほら前も洗いますからこっちを向いて下さい…もう、分かりましたから威圧するのは辞めて下さい。ご主人様なら少しはオイタをしてもいいのですけど…なら一緒に湯船に入りましょう?ふふっこれからは毎日お背中お流ししますね♪ご主人様』
(何かのはずみで精通しそうで心配だ…にしても、小説だと主人公には結構厳しくしてからご褒美に甘えさせてくれる感じだったのに、俺には甘々だよなぁ。なんでだろ?)
原作ではへこたれた根性の主人公を奮起させる為に飴と鞭を使い分けていたマリアだったが、アブソリュートは鞭しか知らず、必要なのは飴だとマリアは判断したのでアブソリュートには甘々なのである。
ウルに関しても花瓶を割ってケガした所を、回復魔法で直してあげたことがあった。それからかなり関係は改善した。偶にお菓子もこっそりあげたりもして侍女の仕事のない時はアブソリュートの後をちょこちょこ付いてくるようになった。
そんな日々を過ごしていると、久しぶりに父から呼び出された。父が呼び出す時はろくな事がないのは分かっている。行きたくはないが行かない選択肢はない。私は父の部屋に赴いた。
父は相変わらずの強面で私を待ち構えていた。
「よく来たな、アブソリュートよ。また強くなったようだな。アーク家の当主として誇りに思うぞ」
毎回部屋に来るたびに同じことを言われている様な気がする。他にいうことはないのか!AIかお前はっ!
「ええ、毎日鍛えてますから。それで用件を伺っても?」
父はサクサク話を進める
「何度もいっているが、アーク家はライナナ国にとっての必要悪だ。国の悪を管理し裏で王家にとっての不穏分子の始末に加え他国からきた闇組織の対処を行っている。」
(そうだ…原作ではアーク家はただの悪として描かれているが本来は裏で国防を担っている影の功労者なのだ。最終的には勇者によって滅ぼされたのを考えると今後、国から切り捨てられる可能性がある。そう考えるとこのまま王家に尽くすのは危険だ。対処を考えなくては…)
「ええ、分かっています。私も何度も仕事をこなしてきましたから…それで今回の任務はなんでしょうか?」
「…あぁ、王都でアーク家に、属していないカラーギャング同士が手を組んで巨大組織をつくる積もりらしい。殺してこい。1人残らず」
アブソリュートは無言で頷く。その後詳細を詳しく聞いた。
「分かりました。では、さっそく行ってまいります」
そう言って父の部屋を後にした。
「えっ⁈これから、お仕事にいかれるんですか?」
出かける前にマリアに連絡しておく。
(探しに行かれたら面倒臭いしね)
「私も行きましょうか?」
心配そうな顔で見つめるマリア
「いらん。それと今日は帰れんかもしれん。待たずに寝てていいぞ」
「…承知しました。気をつけて行ってらっしゃいませ」
深々とお辞儀をするマリアを背に私は屋敷を後にした
ライナナ国王都地下酒場
アーク家に属さないカラーギャングのレッドパピヨン、グリーンアント総勢108名が揃っていた。
間もなく同盟式が行われて2つの組織が1つになろうとしている。
「お前らっ‼︎これから俺らはパープルモスと名乗る。もうアーク家の時代じゃねぇ。俺らの時代だ!この国ひっくり返そうぜぇ!」
うおぉぉぉぉぉぉぉぉおお!
ライナナ国に新しい巨大組織の誕生…かに思えたが謎の圧がカラーギャング達を襲う
「誰の家の時代がもう終わったって?」
声の主の方をみる。まだ子供だった
「ダーク・ホール」
謎の子供が詠唱し、地面に闇が広がり闇から黒い手が大量に生えてギャング達を引きずり込んでいく。
「な、なんだこれはー!」
「落ち着け!闇魔法だっ、魔法を逃れた者はあのガキを攻撃しろ!」
運良く魔法を逃れた者たちが反撃を試みる。…があの子供はもうどこにもいなかった。
「くそっどこ行きやがった‼︎探…」
ぼとっ
指示を出していたリーダー格の男の首が落ちた。
「ひっ⁈リーダー!一体何が起きてるんだ」
ぼと、…ぼと、ぼと…ぼとぼとぼとぼとぼとぼとぼとぼとぼとぼとぼとぼと。
気づいたら立っていたカラーギャング達の首が全て落ちていく。
「これで、全員か…下らない何が影の功労者だ。都合の良い便利屋じゃないか。やはり王家の下にいては駄目だ。力だ…力がいる。数の暴力に抗える力が!」
ガタっ!
アブソリュートは音の方をみる。まだ生き残りがいたようだ。
「お前、一体何者だ!何で…」
男はまるで怪物を見るような目でアブソリュートを見るアブソリュートは自嘲して男に答えた。
「私は悪だよ…お前らと一緒だ」
そう言って生き残りに止めを差した。
その後現場を処理する為に再び魔法を使う。
「ダーク・ホール」
残った死体の後片付けをし、この場を後にした。
夜遅く皆が寝静まった頃、アブソリュートは屋敷に戻った。
「お帰りなさいませ。ご主人様」
いないと思っていた声に驚く。
「マリアか…寝ておけといった筈だがな」
呆れて溜息をつくが、
「ご主人様がこの国の為にお役目を果たしているのですもの。1番に迎えたかったんです」
マリアは笑顔を見せるが、アブソリュートはマリアの言葉に驚く。
「貴様、それをどこで知った」
アブソリュートはマリアを睨む。
「ウルです。あの子ご主人様を心配して私に話したんです。本当はウルも待っていたんですが眠気に負けてしまいました。それにしても驚きました。アーク家にそんな役目があったなんて…」
マリアは悲しい顔でアブソリュートを見る。
「ウルのスキルの索敵か…あいつめ。後で余計な告げ口をしないよう叱っ…おいなんだ?」
マリアはアブソリュートをそっと抱きしめた。
「ご主人様はずっとこの国の為に戦ってこられたんですね…まだこんなに小さいのに…っ」
マリアの抱きしめるちからが強まる。そのまま体に埋まりそうだ。
「私憎いです。国が…まだ子供のご主人様に戦わせる大人達がっ!こんなのって!」
マリアの感情が爆発する。普段感情を表さないアブソリュートの分まで彼女は怒っているのだ。
「マリア…私は大丈夫だ。見ての通り何ともない」
「いいえ。傷ついてます!貴方の心が‼︎」
アブソリュートは苦笑いした
「否定はしない、だが今日はもう遅い早く寝よう」
「…まだ言いたい事はありますが、ご主人様に言うのは筋違いです。分かりました…それでは今日は一緒に寝ましょう」
「いらん…1人で寝る入ってくるな」
そう言って部屋に戻りアブソリュートは就寝した。
次の日、起きたら柔らかい感触がした。何だこれはと手を触れると、
「んっご主人様♡朝から御盛んですね♪いいですよ…お姉さんが受け止めてあげます!」
マリアがベッドの中にいた。
出ていけ!
アブソリュート・アーク
10才
・カリスマV7…魅力にかなり補正がかかる
・王の覇道V7…自身のステータス上昇
敵のステータスを下げる
・絶対悪V10…ステータスが伸びやすくなる
相手への印象が悪くなる
聖の者への特別補正
ステータス
レベル :55
身体能力 :78
魔力 :600
頭脳 :72
習得魔法
火、水、土、風、回復、闇
技術
剣術、拷問、グロ耐性
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