第2話 転生から10年
アブソリュート・アークとして生まれてから10年が経った。
生まれてからはひたすら自身を鍛え、勉学に関しては前世の蓄えもあり教師から教えてもらえることはすべて学び終え、天才だと絶賛された。
アーク家の騎士団に混じり訓練や遠征に混じり家臣達と交流しながらレベルを上げた。
初めは、スキルである『絶対悪』により何もしていないのに印象が最悪だったが共に剣を交えていくうちに騎士団達の見る目も変わっていった。仲良しと言う訳ではないが今では普通に尊敬されてる気はする。
ストーリーが始まるまではひたすらに自分を鍛えて仲間を増やしていく方針はかなり順調に進んでいった。
そんな時に父から呼び出された。
ちなみに父は王国の闇組織の元締めだが父との関係は良好だった。初めはどんな怖い人かと思ったが家族に対しては優しい男であった。
(敵には容赦なかったけどね前に別の国の闇組織が王国に入ったときに拷問してる所を見せてもらったけどエグすぎて固まっちゃったもんね。DVされなくてホント良かった)
そうこう考えている間に父の書斎に着きドアをノックする。
トントン
「アブソリュートです。入室してもよろしいでしょうか?」
「入りなさい」
書斎に入り父と向かい合う。強面だが今ではもう慣れているため少しカッコいいとさえ思える。睨むように私を見ているがいつものことなので気にしてはいない。真っ直ぐ目を見て見つめ直す。部屋には父と執事に私の3人だけだ。父に促されて向かいの椅子に座る。
「勉学や訓練に関しては報告で聞いている。流石はアーク家の次期当主だ。これからも研鑽を忘れるな」
(久しぶりに褒められた気がする。ちょっと嬉しい。)
「ありがとうございます。精進致します」
「ふむ。では前置きはこれぐらいにして本題入ろう。来月にミカエル王子の10才の記念パーティーがある。王族主催のパーティーで今回はお前の同年代が多く集まる。アブソリュートお前も出席しろ」
(ミカエル王子か。確か原作では主人公側に付いてたよなぁ。主人公は候爵家の後ろ盾を得て学園に入学するので現時点では関わりはないが、はてさてどういった人物であったか)
「承知しました」
「ふむ。あまり言いたくはないがお前はスキルのせいで誤解を受けやすい。パーティーでは大人しくしておけ」
(まぁたしかにスキルのせいで印象最悪な私は傘下の貴族の子供でさえあまり怖がって近づかない。こんな私がパーティーに行ったら阿鼻叫喚じゃね?
憂鬱だがパーティーでは最低でも傘下の貴族の子供との溝は埋めなければならない。原作ではどういった理由で裏切ったかは知らないがより関係を強固にしてこちら側に引き込まなければならない)
「分かりました。要件は以上でしょうか?なら私は訓練に戻りますので失礼いたします」
退室し、パーティーに関しての対策を考えながら私は訓練に戻った。
父サイド
「まさか私の威圧をものともせず睨め返してくるとはな」
愉快そうに笑う現アーク家当主ヴィラン・アーク。
「確か現段階ではレベルは40を超えていると報告を受けておりましたが少し怪しく感じましたな。まだ上をいっているかもしれません」
執事兼諜報官のスハイが答える
「流石だな。幼いながらにして騎士団の訓練に耐えるだけでなく、この前私の拷問を目にしても顔色ひとつ変えずにずっと見てたんだよ。精神面に関しても文句はない。」
「…10才の子供にみせるものではないでしょう。それとアーク家の使用人や在中の騎士団に関してはアブソリュート様の印象は徐々に改善しつつありますがその他に関してあまり芳しくありません」
「闇組織の勢力を今後率いるにはかなり時間がかかるかな?まぁアブソリュートが継ぐ頃には恐らく王国上位の強さになるだろうから最悪力でねじ伏せて従わせれば問題ない。私の時もそうだったからな」
「おかげで従ってはいますが人望は全くありませんがね」
「えっ?私は人望ないのか?」
「まあとにかく今後傘下の貴族達の求心を得るためにはアブソリュート様印象を改善しなければなりません。でないと今後内側から崩壊する可能性があります」
アブソリュートの悪印象により求心が得られない、これこそが原作での敗北の原因であり、これを改善できるかで今後大きく変わる。
このパーティーはターニングポイントとなるのであった。
アブソリュート・アーク
10才
スキル
・カリスマ v5 … 魅力に補正がかかる
・王の覇道 v5…自身のステータス上昇
敵のステータスを下げる
・絶対悪 v10…ステータスが伸びやすくなる
相手への印象が悪くなる
聖の者に対して特別補正
ステータス
レベル :47
身体能力:50
魔力 :500
頭脳 :70
習得魔法
火、水、土、風、回復、闇
技術
剣術、拷問、グロ耐性
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