第6話 奴隷購入
ホセ伯爵家にアポイントをとり、今日は待ちに待った奴隷商にやってきた。
奴隷商の館の前でホセ伯爵と息子のクリスが迎えてくれる。
「ようこそおいで下さいました。アブソリュート様本日はよろしくお願い申し上げます。ご要望の通りに自衛能力のある奴隷を数多く選んで下さい。案内にはクリスをつかせますので何かございましたらクリスにお伝え下さい。護衛は…失礼しました。必要ありませんね。一応念の為に奴隷の行動を制限しております。ご自愛ください」
「分かった。感謝する。世話になったと父に伝えておこう」
私はホセ伯爵に感謝を告げ、クリスに案内され奴隷商の館に入り中に入り1番広い客間に通された。
「今からここに1人ずつ奴隷を連れてきます。契約のスキルで行動を縛っておりますので暴れる心配はありません。気に入った奴隷がいましたら私に言って下さいね」
(なるほど…個別面接システムね。一生モンの買い物になるわけだから慎重に選ばなきゃね。家と一緒だ。っとクリスが帰ってきた)
「お待たせしました。1人ずついれますね。まずは1人目入りなさい。」
薄い奴隷服を纏った小柄な獣人の女が入ってきた。俺の顔を見て引き攣っている。
「おっ狼族のウルです。年は8才です。えっえと、私を買って下さぃ…」
(うわぁ今にも泣きそうな顔してるよ。そんなに嫌がれると毎回傷つくよなぁ。うわっ、クリス今にもキレそうな顔してるなんか話振ってみるか)
「クリス。ウルはまだ幼いがちゃんと戦えるのか?」
「はい。狼族は戦闘民族ですからこの年でも下手な貴族より強いです。現在のレベルは18でスキルは索敵と獣化です。伸び代も含めたらウルが1番オススメですね」
(ほう。索敵か…奇襲を防ぐには持ってこいだな。それにまだ幼いのもいい。今は怖がっているが優しく接していけば慣れていくだろう)
「そうか…ありだな」
「⁈う、うわぁ…ひっぐぅ、ぐわぁああ!」
泣きだしやがった。やっぱりやめようかなぁ。うわっまたクリス、キレそうになってる。
「とりあえず分かった。次を呼んでくれ」
強引にウルを下げさせ次を呼ばせた。
次に呼ばれたのは40才くらいのムキムキの女だった。…あっないわ。
「エリザベスだ。年は43だ。買ってくれたら可愛がってやるね。お坊ちゃん♡」
(うわぁ…ないわぁ。にしても俺より強いんじゃね?買ったら絶対襲われるじゃん。しかも年増だし。)
「エリザベスは元傭兵でしたが戦争にて捕まりそのまま売られて奴隷になりました。レベルは40で平民にしてはかなりの水準ですね。スキルは怪力です。現在の戦闘力でいえばエリザベスが1番になります。」
(マジか。っていうかあいつめっちゃ俺の事熱い目で見てんだけど…スキル効いてないのか?なんかめっちゃ息荒げて興奮してるし。分かった、あいつショタコンか!ショタコンに力を与えちゃダメだろう。ショタ達が駆逐されるぞ。駄目だ…あの変態を自由にしてはいけない。エリザベスは一生この館に居るべきだ。)
「分かった。次を呼んでくれ」
エリザベスは手ごたえを感じたのか期待のこもった目で最後までみていた。
次の奴隷が入ってきた。女騎士って感じの凛とした雰囲気だ。
「マリア・ステラ。年は15。」
マリアはそれだけ言って黙った。嫌われてはいるが表情にはだしてない。大人の対応だと思った。
(んっ?マリア・ステラ…どこかで聞いた気がする。)
「マリアは元貴族でしたが、後継争いに負け奴隷になりました。騎士としての技能を持っています。固有魔法は15になる前に売られた為に継承していません」
…クリスの話を聞いて思い出した。
マリア・ステラは『ライナナ国物語』の年上お姉さん系ヒロインだ。初めはツンツンしてるが主人公に買われて接しているウチに亡くなった弟と面影を重ねて段々と甘やかしてくれるヒロインだ。
『おい!もうへばったのか‼︎…仕方ないな。ほら膝を貸してやろう。起きたら、修行の続きだからな。ふふっ♪可愛い寝顔だ♡』
『ほらっタオルをどけろ!しっかり洗えないではないか‼︎なっ、なにを大きくしている⁈全く男の人っていつもそうだな。ほらちゃんと洗ってやるから恥ずがるな』
(全くけしからん奴だな、主人公は。だが、今のウチにマリアをこちらの陣営に置いておけば主人公側の戦力を奪うことができる。それに今後行われるマリアのイベントを終えればマリアは固有魔法を使えるようになり伸び代もある。決まりだな)
「クリス。決まった」
「エリザベスですか?」
おい、変態を売りつけようとするな
「ウルとマリアを買う。契約を頼む」
クリスはどこか残念そうにしながら準備を始めた。
(残念だったな。クリスよ…エリザベスを頼んだぜ!)
決まったのでホサ伯爵を呼び、ウルとマリアとの契約が完了した。
奴隷の2人に向き合う。
「これから、お前達の主人になるアブソリュート・アークだ。お前達には今後私の侍女として使えてもらう」
私の名前を聞き、2人は顔色を変えた。
「あ、アーク家ってこのくにで1番悪いっていわれてるあのっ?イヤァァァァ!」
(ウル…否定はしないけどウチは法律の中で暴れてるだけだから…否定はしないけど)
「くっ!アーク家の者だったか…道理で嫌悪感が凄いわけだ。私達に何をするつもりだ。殺るならさっさと殺れ!」
(アーク家ってだけでこれかよ。酷い言われ様だ…)
「殺すつもりはない。お前らには侍女として働いて貰う。…だがお前達は今後私の奴隷だ。口の効き方がなっていないようだ」
スキル王の覇道を発動し、2人を威圧する。
まるで強風に吹かれたような圧が2人を襲う。
空気が薄くなったように感じ呼吸が上手くできなくなる。
2人は顔を青白くし、ガタガタ震えていた。
(もう…いいか)
威圧を解除した。
「これからは、口の効き方に気をつけろ…分かったな?」
2人のコクコク頷いた姿を見て心の中でガッツポーズした。
女を2人わからせてやった。
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