セイクリッド・カルテット　～不死身の男の殺し方～

　ニコラス・アレキウスは不死身だ。
　気の遠くなるような長い時を生きてきた彼は生きている間に得られる刺激的な体験をやり尽くしてしまい生きている事に飽きてしまった。
　そこで思いついた。
　自身を殺すための人を集め、自身を殺す目的を与えるという事を。
　そのために殺されるまでの残りの人生に力を注いだ。
　剣聖の血統と呼ばれる人間を惨殺し、王国の姫を影から攫い、非人道的な人体実験を行い、魔女と謳われる人物を殺した。
　そして自身を殺す役者の準備を整えた。あとは時を待ち舞台に役者が揃うのを待つだけとなった。

・魔獣狩りの剣聖編
　王都から魔獣討伐を依頼されたロイドは狸の姿のラムダに財布を盗まれる。路地裏に逃げ込むラムダを捕まえるとラムダから頼み事をされる。その頼み事とは呪いをかけられた仲間をロイ…続きを読む