魔獣狩りの剣聖編
第1話 魔獣狩りロイド
「待ちやがれ! クソ
昼前の
ロイドは人通りの多いこの時間帯に大通りの人の波をかき分けて走る。
ロイドが進む先の人の波の足元にはロイドと同じ方向を進む小動物がいた。
その小動物は全身の体毛が蛍光色の青に染まっていた。これほど目立つ色の体毛を見つけるのは
まず一つ、体格差による人の波を
ロイドは背丈の高い引き締まった
ロイドが
二つ目は移動手段。
ロイドは地面を
この二つの要因によってロイドと
そんな路地裏へ足を踏み入れて奥へ進む——その時、誰かが背中の皮を
「やっと
そう言って
「その口に
「そんな
「……は⁉」
ロイドは
今いる路地裏にはロイドと
「……お前、
「それを答えればその手を
やはりロイドの掴んでいる
その時、
「
そう言ってロイドの手から離れた
「……くっ! 待て!」
「やっとあいつをまいたみたいだな」
宙を進んでいる
「そう思うのは勝手だが、人を吹き飛ばしておいて
「⁉」
ラムダは進行方向の先から聞こえる声に振り向いた首を戻して前を見た。するとその視線の先には先程まいたはずのロイドが路地裏の壁に寄り掛かっていた。
その姿にラムダは
ラムダが進んできた路地裏は一本道。つまりラムダの進行方向先にロイドがいるという事は、ロイドはラムダより早く進む道を回り込むように遠回りして待ち構えたという事になる。
「どうやって先回りした?」
「それを俺の財布を盗んだ狸に教える
ラムダの質問にロイドは答える気がない事を口にする。その言葉にラムダとロイドは互いに
先に動いたのはラムダだ。
ラムダは路地裏の上へ宙を移動する。するとロイドは路地裏の壁を蹴って上っていきラムダを追う。
路地裏から建物の屋根まで上るとラムダはロイドから逃げるために別の路地裏へ降りていく。
ロイドはラムダが下りた路地裏へ進むと、そこは人ひとり通るのがやっとなほど
「ちっ!」
「悪いがお前はここで時間を
ラムダは足止めで入った狭い路地裏にロイドを誘導すると小さな体で
狭い路地裏を出て再び大通りに顔を出したラムダはしばらく大通りを進む。そして先程とは別の路地裏への道を進む。
新たな路地裏へ進みしばらくするとラムダは後ろを振り返る。後ろには先程まで進んだ路地裏の道が続いていて、人の姿はなかった。
「今度こそ——」
「逃げられたと思ったか?」
「⁉」
ラムダは声がした方へ顔を向ける。それと同時にラムダは何者かに首元の皮を
ラムダは皮を掴んだ者を視界に
「今度こそ返してもらうぞ」
ロイドはラムダが
ロイドは財布が戻ると逃がさないように掴んでいたラムダを放した。
ラムダは放されるとすぐにロイドの方に
長剣が納まっている
「お前、何者だ?」
ラムダは鋭い視線を向けながらロイドに
ラムダに
「ただの魔獣狩りだ」
ロイドが質問に答えるとラムダは今までのロイドの身のこなしに納得がいった。
「こっちも質問だ。お前、何者だ? ただの
今度はロイドが
「
ラムダの答えにロイドはすぐにその意味を理解する。
生体兵器——一昔前、アルカディア王国が軍事力拡大のため、人間以外の生物に魔法を宿して文字通り生体兵器として研究・開発した人工生物。
今では生体兵器は破棄されたと聞いているが、その生き残りがラムダというわけか。
「その生体兵器が何で俺の財布を盗もうとした?」
ロイドは当初の疑問をラムダに
「お前には口で説明するよりも実際に見た方が手っ取り早く伝わるだろう。ついて来い」
そう言うとラムダはそのまま路地裏の奥へ進む。その後ろにロイドはついていく。
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