第2話 聖剣使い
ラムダの後を追って路地裏の奥へ進むロイド。
ラムダのような蛍光色の体毛が体中を
「待たせて悪かった」
ラムダは目の前に見えている蛍光色の体毛の小動物達に声をかけると、小動物達はラムダの声が聞こえた方を
「ラムダ。そっちの人間は?」
ラムダの言葉を聞いて振り向いた小動物達の中の一匹が人の言葉で
「あぁ、話は長くなるんだが」
そう言うとラムダはロイドと出会った直後から今までの事を人の言葉を
「それで俺をここに連れてきた理由を教えてくれ」
ロイドはラムダにここへ連れてきた理由を
ラムダが足を止めるとその近くには緑の蛍光色をした体毛の小動物が地面に横になっていた。
横になっている緑の体毛の小動物は呼吸が浅く目が
「こいつには呪いがかかっている」
ラムダの言葉にロイドは
現在では呪術自体が
その呪いをかけられているという小動物には呪術特有の禍々しい文様が体中に刻まれている。
「お前の腰にあるその剣。聖剣だろ?」
ラムダはロイドの
「何でそれを知ってる?」
ラムダの言葉にロイドは
「さっきも言ったはずだ。
そう言ってラムダはロイドの疑問に答える。
「ここまで言えば、お前をここへ連れてきた理由が分かるはずだ」
「理由は分かった。聖剣でこいつの呪いを
「お前の財布の中、白の
ロイドがまだ引っ掛かっていた事について説明したラムダはその理由を口にしてロイドはようやくラムダのしたかった事を理解する。
白の魔鉱石は現在、運気上昇のお守りとして財布の中などに入れる
ラムダの言葉を聞いてやとラムダの真意に気付いたロイドは
「分かったよ。俺をここに連れてきたのは、俺の聖剣でそこの小動物の呪いを
緑の体毛の小動物のすぐ傍まで近付いたロイドは腰に携えている
抜剣した聖剣は鋼色の光沢とは別の
その聖剣をロイドは逆手に持って力なく横たわっている緑の小動物に向かって刺突した。
聖剣を刺突された小動物は一瞬苦悶の表情を浮かべた。それと同時に体中に
光の
緑の小動物の体に刻まれていた禍々しい文様が完全になくなると、ロイドは刺突した聖剣を引き抜いた。
聖剣を引き抜いた緑の小動物には聖剣を
緑の体毛の小動物は横たわっていた体を起こした。
その様子にラムダは
「もう大丈夫か⁉」
「はい! 今までと違って嘘みたいに体が軽いです!」
ラムダの質問に緑の体毛の小動物は元気よく答えた。
「呪いを
聖剣を
「そんな金があっても
ラムダはロイドが告げた言葉に
ラムダの言葉を聞いてロイドはすぐにその言葉の意味を理解する。
ラムダや周りの小動物はかつて王都が開発した生体兵器。
こんな薄暗い路地裏で生活しているのも身を隠す必要があるからだ。
ロイドはやっと自身の発言が気の回らない事を言ったのか気付く。
「……ここで待ってろ」
気まずい空気が流れるこの場にロイドは空気を破って声を出した。するとロイドは踵を返した。
路地裏から去るロイドをよそにラムダや他の小動物は
「
「ひとまずは安心だ」
「でもさっき去っていった人間、待ってろ、って言ってましたけど」
「確かに。ラムダの頼みを終えたのにさっきの言葉。何を待てばいいんだ?」
そんな疑問が残りつつしばし緑の小動物が
その足音に気付く小動物達は足音が聞こえる方を
「持ってきたぞ」
そう言ってロイドは小動物達が集まっていたところまで近付くと一本の
「これは?」
「さっき言った
置いた
「何だよ。その不思議な光景を見たような顔は」
「いや、だってそうだろ」
ラムダや他の小動物がそんな反応をするのも当然だ。
今までいない者として過ごしてきた自分達にかけられた呪いを
「まあ、この礼はいつかどこかで返してもらうけどな」
そう言ってロイドは置いた
取り出した
「ほら。飲め」
ロイドがそう言うと緑の小動物は近づけられた
「すみません。ここまでしていただいて」
「さっきも言ったがその礼はいつか必ず返してもらう。今はゆっくり休め」
ロイドはそう言うと再び路地裏から去っていく。
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