概要
音楽は人生であり、人生は愛である
ピアニストを目指す高校生の霧島律は、ピアノ以外の全てを棄て、ピアノだけに自らの全てを懸けてきた。友達と遊ぶ時間も削ってピアノの練習に打ち込む日々。特に恋愛ほどくだらないものはないと見下していた。
そんな律はコンクールの課題曲として出されたフランツ・リスト作曲『愛の夢』の演奏に手こずっていた。「愛」などくだらないと感じていた律。そんな「愛」を優美に歌い出すこの曲が苦手で理解できなかったのだ。
だが、そのコンクールに出場していた天才肌で同い年の高校生ピアニスト・津々見奏佑が奏でる『愛の夢』を聴いた律は、強い衝撃を受ける。優美な音色に魅せられ、思わず彼の奏でるピアノに惹き付けられる律。奏佑は律に問い掛ける。
「律、君は誰かを本気で愛したことある?」
律の中で感情が激しく動き出した。律は自問
そんな律はコンクールの課題曲として出されたフランツ・リスト作曲『愛の夢』の演奏に手こずっていた。「愛」などくだらないと感じていた律。そんな「愛」を優美に歌い出すこの曲が苦手で理解できなかったのだ。
だが、そのコンクールに出場していた天才肌で同い年の高校生ピアニスト・津々見奏佑が奏でる『愛の夢』を聴いた律は、強い衝撃を受ける。優美な音色に魅せられ、思わず彼の奏でるピアノに惹き付けられる律。奏佑は律に問い掛ける。
「律、君は誰かを本気で愛したことある?」
律の中で感情が激しく動き出した。律は自問
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!ピアノが生み出す美しい愛
一言でいうと本当に面白かったです。「BL小説」として楽しめるのはもちろん、恋愛や青春物としても充実していました。
この作品で特に注目していただきたいのは主人公の心境の変化です。
愛だの恋だのくだらない!僕にはピアノさえあればいいんだ!という考えを持ったある意味極端な性格の主人公ですが、ある出会いをきっかけに変わっていくのです。その移り変わりが徐々に丁寧にきちんと描かれているため、読者も自然とのめり込むことができます。
とにかく主人公が愛おしくて、かわいらしくて仕方なくなります。
中盤から後半にかけては、読む手が止まらなかったです。一気読みしたくなるほどの展開です。
ぜひ読んでみてくださ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!愛の夢、その先へ――
リストの「愛の夢」。冒頭のロマンチックなメロディは、ある瞬間、キラキラと粉になって散らばっていく。そして訪れる泣き叫ぶような愛の激情の後、メロディはまた静かに甘く優しい旋律を取り戻す。
物語全体が「愛の夢」だと思いました。尊くて切ない愛が、二人の関係を通して美しく、力強く綴られています。一つの物語として、文学として、とても素晴らしい作品だと思いました。
特に、冒頭部分が素敵です。読み始めた時、読み返した時は、込み上げてくる気持ちを言葉にすることができず、ただただ感嘆の声を上げました。
本当に素敵な作品ですので、クラシックや言語を嗜まれる方は是非お読みください。そうでない方にも、…続きを読む