第三話 偽者は
共和王国での内乱の決着を聞いた神聖日光皇国宰相は当然だ、という顔をしていた。
「奴らなんていらん、まあ南央洋の連中やアルジャ連合国の連中よりは頼れたんだがな、まあいい、皇都以外は制圧されたものの皇族の皆様はこちらの手にある。正当性はこちらにあるのだ」
確かにこの時ほとんどの皇族が皇都に集結していた、正確にいえばただ一人を除いては。
「第六皇子殿下、南央洋中央条約機構一同お待ちしておりました」
「ご苦労」
東方世界へお忍びで視察へ向かっていた第六皇子は皇都におらず自由な状態だった。
そのため皇子は南央洋中央条約機構のある南央市国へ避難していた。
「帰ってきたら大変なことになっているとは思わなかったよ」
「まさか宰相に内乱を起こされるとは誰も予想なされないでしょう」
そう誰かがいうと怪訝そうな顔をした第六皇子は言う。
「まだ宰相がやったと思っているのか」
「「「えっ」」」
「ゴホン、失礼いたしました皇子殿下、それはいったいどういうことなのでしょう
か」
神聖日光皇国 皇都 日光
皇都日光の中心に位置する皇城の地下牢にはアルジャ連合国大使のリレロと神聖日光皇国宰相が監禁されていた。
「宰相、大丈夫ですか」
苛烈な拷問によって宰相は既に瀕死と言っても過言ではない状態であったが何かを信じているようにリレロには見えた。
「あと少し、あと少しだ。あと少しで助けが来る」
「ですが我が国も南央洋中央条約機構も皇都への直接攻撃はなかなか踏ん切りがつかないのかあまり行われていないと聞きます。誰が助けに来るのでしょうか」
「それは、」
「ああ、衛兵の会話からの推測ですが」
それを聞いた宰相は微笑みながら言う、
「勝った」
「神聖日光皇国第六皇子が天照らす光の元に命ずる、皇国騎士たらんとするんならば皇国を照らす光を、世界を照らす光を遮らんとする者どもを討て」
「「はっ」」
「南央洋中央条約機構軍最高司令官より皇国駐留軍団全軍に命ずる、光を取り戻せ、繰り返す、光を取り戻せ」
攻撃開始を意味するその言葉が発せられた瞬間、皇都市街地に第一派遣旅団を始めとした六個旅団と共同するアルジャ連合国派遣師団一個師団が東西から突撃した。
「第三旅団は宰相府の奪還に成功しましたが敵首領らは既に逃亡しており捕縛に失敗しました。現在西部市街にて敵一個連隊相当と第五旅団二個大隊が戦闘中です」
「分かった」
半日後、既に皇城を中心とした中央市街の一部と西部市街の一部を残してほとんどが奪還部隊の占領下にあり、皇国軍を名乗る反乱軍は壊滅状態であった。
また間が空いてしまいましたが何とか投稿できました。
今回から行間を開けて読みやすくしてみましたが、どうでしょうか。
感想をもらえると嬉しいです。
年内にあと1、2話投稿出来ると良いなと思います。
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