第八話 終結

「敵機多数、全機散開し確実に敵機を撃墜せよ」

空母 咲洋に所属する戦闘機隊の最終戦闘であった。パイロットの疲労蓄積もそうだが上陸作戦時の支援戦闘機を残すために残りの人員と装備はこの戦いには出せなかった。またそれをしてしまうと第五十二水上打撃群を守るエアカバーがなくなってしまうという点もある。

海上帝国機の数に押されながらも十機ほどを落とし戦闘機隊は旋回、撤退を開始する。


「対空戦闘用意、ミサイル発射管六番から十二番艦対空ミサイル発射用意。目標確認」

「自動目標照準、、、目標確認。発射」

日本などでは垂直発射管VLSと言われるミサイル発射管から必殺の艦対空ミサイルが発射される。

艦隊合計50発にも上る長距離艦対空ミサイルは敵機の多くを撃墜するもいまだ一艦隊を殲滅するには十分な敵機が存在していた。

そしてターンは海上帝国へ。



「協同攻撃時間まで残り3分」

「了解、我々の練度を異世界最強の軍に見せつけてやれ。対水上戦闘用意、艦対艦ミサイル発射用意。目標、敵空母、撃て」

海上帝国軍はただ航空機による対艦攻撃を考えていた訳ではない。艦隊から発射される対艦ミサイルと攻撃機から発射される対艦ミサイルの同時攻撃である。

艦隊からの発射を早く行うことで同時攻撃を行うのは相当な練度が必要であった。



「敵艦隊より多数の対艦ミサイルが発射された模様」

「敵機ではなく艦隊なのか」

「恐らく協同攻撃です。敵機も撃ってきます」

すぐに早期警戒機が敵機のミサイル発射を探知する。

「対空戦闘、ミサイル発射管一番から五番自動照準。発射」

咲洋が持つ小型垂直発射管から搭載されているすべてのミサイルが発射される。

他の艦も空母を守るためにほとんどの対艦ミサイルを発射する。

だがそれでも国土防衛の思いがこもった海上帝国軍のミサイルが迎撃網を潜り抜けてくる。

「個艦防御、咄嗟対空戦闘」

近接対空ミサイルが雨あられと発射され艦砲と近接機関砲ファランクスが射撃を開始する。

艦橋の操艦要員が目を閉じなければならないほどの発光が起こりほとんど撃墜された。

だが二発のミサイルが最後の防御を搔い潜り空母甲板に直撃した。





艦を物凄い衝撃が襲い、艦内で多くの物が倒れる。

だが鍛え抜かれた軍人たちは反撃へと転じた。

「対水上戦闘用意、発射可能な全艦対艦ミサイルを発射せよ」

水上打撃群が持つすべての艦対艦ミサイルが発射され海上帝国主力艦隊へ向かっていく。

数分後、海上帝国主力艦隊の空母にミサイルが複数直撃、爆沈した。

















次回 最終話






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