第七章 第三次征南戦争 後編

第一話 共和王国

混乱の中にある斉東連邦共和王国ではあったがそれは首都 東都や大都市近郊だけであり地方都市ではまだ共和王国政府が全権を掌握しており連邦王国軍もまだ軍事活動が可能な戦力を残していた。

また混乱の中政権は以前の選王せんおうの信任の厚い政党のもとへ戻り臨時首都へ選王を連れ避難していた。


そして、南央洋中央条約機構による武力介入宣言から四日後。

斉東連邦共和王国首都 東都近海に姿を現した巨大な艦隊は南央洋中央条約機構海軍第五艦隊。遠征艦隊と呼ばれ常に最新鋭艦と最高練度の乗員が配されるこの艦隊は陸軍及び海兵隊約二万人を引き連れ斉東共和国を名乗る武装勢力に対して共和王国政府の許可の元、攻撃を開始した。



「山風総司令官、久しいの」

「ええ、今では選王陛下にお成りになられたのですね。惟唯殿下」

そう臨時王宮で再会を果たした総司令官と共和王国第三十六代選王、惟唯これまさは今後の方針について意見を交わす。

「そちらの国王陛下に感謝の意をどうか、頼む」

「分かっております、選王陛下。また我が主より言伝を授かっております。『あの時の約束は忘れていない』と」

選王は立ち上がり総司令官の手を握り、言う。

「我が国共和王国選王として願う、王国民のために武器を取れ」

東都革命後、願う事しか許されなくなった選王の最初で最後の願いだった。

「もちろんでございます、選王陛下。南央洋中央条約機構軍最高司令官から共和王国に駆け付けた全機構軍へ、選王陛下たっての願いである、戦闘開始」



斉東連邦共和王国 首都 東都


「なぜ上陸を許した、海軍は何をしている」

「それが、」

「それが、ではない。急いで第九師団を橋頭保へ突っ込ませろ」


「無駄だ、意味がない」

「ですが」

「参戦を許した時点で我らの負けだ、くそ。まさか皇国よりこっちを優先するとは思わなかった。さっさと逃げるぞ」



斉東共和国を名乗る武装集団の首脳陣は航空機を使い逃亡、西方世界へと逃れようとしたが世界境界線直前で南央洋中央条約機構軍の海軍航空隊によって撃墜された。




斉東連邦共和王国での内乱は世界最強軍の介入により早期に決着した。















短めです、次は一回日本視点に戻ります。十月も忙しくあまり投稿できません。

ちなみに世界境界線を越えると他世界の軍用機は原則として侵入できません。

侵入できるのは世界対世界の大戦(征南戦争など)の時だけです。


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