第六話 海上、空中、水中、三元一体の攻防 上
「南央洋中央条約機構軍から応援要請?戦闘機を天北海域へ派遣してほしいか、
至急とまでついているから余程切羽詰まっているのだろうか?」
「分かりません、ただ急いだほうがいいことは確かかと」
駐留国防軍司令官は悩んだ末決断する。
「F-3部隊に出撃準備、無人機の整備も忘れるな。そして首相閣下と統合幕僚部へ判断を任せると送れ、許可が出次第出撃する」
天北海域西400km 第五艦隊第一分艦隊 第五十二水上打撃群 駆逐艦
「魚雷発射管一、二番発射用意。目標確認」
「目標AS-1、発射」
魚雷発射管から放たれた短魚雷が敵潜水艦へ向かっていく。
南央洋中央条約機構軍が天北海域に送った5つの分艦隊はすでに敵性潜水艦を20隻以上葬り、常に各艦隊の護衛潜水艦は新たな敵性潜水艦を発見し続けていた。
「どれだけ潜水艦で攻撃しようともこちらが負けることはない、何せ対潜戦闘はこちらの本職だからな」
そう空母 咲洋CICで言ったのは群司令である水嶋少将であった。
現在の南央洋中央条約機構軍の海上部隊の前身は春風国軍南央洋統合軍の海上部隊であり当時敵対していた風海連邦の高性能な潜水艦をすべて葬ることを最大の目標としていた部隊である。
その時築かれた対潜戦闘のノウハウを機構軍海上部隊は持ち合わせていた。
「レーダーに反応、敵基地航空隊と思われます。機数およそ30」
「30、やはり我々に全力を傾けてきたか。戦闘機隊に対処させよ、また発見中の潜水艦については護衛潜水艦に対処命令」
「了解、艦隊各艦は対空戦闘用意。戦闘空中哨戒中の所属機は敵機への対処行動を開始せよ」
南央市国 南央洋中央条約機構軍統合司令部
「第五十二水上打撃群が敵航空部隊と接敵、戦闘機隊が対処中」
ついに来たか、そう思った最高司令官はすぐに敵の意図を把握しようとする。
「敵機の数は」
「およそ30」
中小国じゃあ信じられないかもしれないが大国同士の戦争はこんなものである。
恐らく基地航空隊の一部だろうな、さすがにまだあるだろう。島全体が軍基地に近い存在だ、隠し飛行場や格納庫があっても不思議ではない。
「他の艦隊はどうなっている、同じくらいの距離の艦隊もあるだろう」
他の艦隊は予定通りの位置を対潜戦闘を継続しながら航行を続けていた。
テスト終了したので書きまくってやろうと思って書いていたら一話で終わるはずだったこの話を分けなければいけなくなってしまいました。まあ終盤だし実質自由に書ける(プロット上)最後の戦闘シーンなので楽しんで書こうと思います。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます