第五話 蜂起

「トーリア制海国、降伏サレンダーですか」

「その通りのようだ、まさか国防軍が後方戦力にされるとは思わなかったが、この調子なら大丈夫だろう」

「でしょうね、ですが次の国会での野党の追及が厳しくなることは必至、どうかさっさと終わらして欲しいものです」

日本国首相は考えこみながら言う。

「まあ、大丈夫さ」



ところ変わってここは南方世界、トーリア制海国首都 ユリア

そこには山風南央洋中央条約機構軍最高司令官が居た。



「想像以上に生き生きとしているな、この都市は」

そう言っていただけて嬉しいです。とこの国に派遣されている帝国の高官は言う。

現在はこの国の全権を司る男が。

「ユーリー暫定総監、それで降伏にあたっての条件とは」

「我が国を独立国とし、旧王族を王位に復帰させること、これだけです」

突如最高司令官の表情が変わり厳しい目線が向けられる。

「それで、それをすると我が機構になんの利益があるというのだね」

「そ、それは…」

「まあいい、それは認めよう、…上川、この国の監督は例の国に、と陛下にお伝えしてくれ」

「了解しました」

そう言った後、考えこみながら現在トーリア制海国暫定総監であるユーリーに最高司令官は言う。

「ただし監督国はつけさせてもらうからな」


ユリアから南央市国へ戻る途中、山風は副官から驚きの知らせを聞く。


「皇国にて政変が発生した模様」

それを聞いた山風は焦り始める、が何とかひねり出した案を口にする。

「以下二部隊に緊急命令、第1派遣旅団に独立戦闘権限を付与、第六艦隊にすぐさま皇国方面の哨戒を強化せよ。尚これは南央洋中央条約機構軍最高司令官及び最高会議議長両名の同時命令にのみ撤回及び終了が成される、以上」

「了解」

いつものように冷静に返答する副官に最高司令官は落ち着きを取り戻す。

「また、日本国政府に国防軍の派遣を要請する」




神聖日光皇国ではその頃大混乱が起こっていた。

皇都日光の市街地を謎の武装勢力が占拠して戒厳令が発せられていた。

武装勢力は一様に「宰相様の命令に応じた日光皇国軍である」と言っておりこれが本当の事なのは戒厳令が出されていることから丸わかりであった。

神聖日光皇国は一切の軍事力を持たず信用できる皇国騎士に指定された国家に防衛を託していた。

その為軍などは居ないはずなのだが、、、

こうした事態に皇国の国家権限を持つ皇族は一人を除いて皆皇都におり武装勢力の影響下にあった。


「緊急命令を了承、すぐさま戦闘態勢に移行する」

「第一派遣旅団総員に通達、只今より我が旅団は最高司令官から許可された独立戦闘権限を行使する。尚この行動の目標は世界秩序の回復、繰り返す、行動の目標は世界秩序の回復である、総員戦闘準備」

第一派遣旅団はすでにこの混乱を察知していた。

皇都郊外にある駐屯地ではこの命令を受けすぐさま戦闘準備が始まった。既に皇都市街地を支配下に置いた武装勢力は各皇国騎士の軍がいる駐屯地には一部の場所にテロ攻撃を仕掛ける事しかできておらずこの第一派遣旅団が居るこの地にも攻撃は行われていなかった。


「旅団長、機構軍最高参謀本部より緊急報、斉東連邦共和王国で革命が発生、今回の事態との連動の可能性あり」




















間あいてすいません。あともう少し南央洋中央条約機構視点がメインになります。

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