第二話 英雄

「最高司令官、より我が機構軍の派遣予定戦力の確認が来ています」

連絡参謀の声にしばらく逡巡した後、山風天馬最高司令官は答えた。

「南央洋中央条約機構軍としては海軍戦力、第五艦隊の全力及び一部の第四、第六艦隊を予備艦隊として後方に待機させる。航空戦力は第三航空戦闘団、第五十六航空戦闘団、そして第二航空攻撃群を投入し、予備戦力は第二十一即応航空団とする。

陸上戦力は第一機甲軍集団及び第六空中機動旅団及び第一、第三海兵師団とする。

状況によっては第一師団近衛師団の投入も辞さない」

「最後に、戦略予備として日本国国防軍だ、以上」


それを聞いた連絡参謀が慌てて問う。

「日本国国防軍もですか?」

「ああ、戦略予備だが」

「・・・了解しました」


連絡参謀は勢いよく最高司令官室を退室していった。


「第三次征南戦争ねぇ、25年前じゃあ考えられないことだろうよ」


ドアがノックされ「どうぞ」と答えると見慣れた人物が入ってきた。

「最高司令官、今回の戦争どう思う」

そういうのは南央洋中央条約機構軍海軍総括、渋川であった。

「まあ我が世界のことを考えればいいとは思うが、皇国が積極的なのは不思議だな」

「そうだな、、、今回の戦争に関して斉東革命とか言う社会主義系の組織が関わっているという噂がある」

「分かった、機構戦略調査局に伝えておこう」

「それはいいんだが、本題は今回の戦争、だれが陣頭指揮をとる?」

「俺が執るさ、最後だしな。退役したら春風国統合軍総元帥か」

「唐木には悪いが俺も最後の一仕事をしますかね」

「そうか」

そう言ってお互い顔を見合わせる第二次南央圏戦争先の戦争英雄老兵たちは笑っていた。















ちょこっとだけ展開を怪しくしてみたり、、、



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