特別番外編 尖閣紛争ー2035- 第一話

時は2035年、地球で最も東に位置する皇国では宰相が変わろうとしていた。



東京都 市ヶ谷 国防省


「中国はまた尖閣付近に来ているのですか」

「ああ」

中国では日本が憲法を改正し再軍備を宣言した直後こそ挑発や恫喝を繰り返したものの海上自衛隊がシナ海の覇者として建造したほうしょう型航空母艦が配備されると大人しくな・・・るはずはなく変わらず威嚇を続け日本側が中国の最新鋭艦上無人偵察機を撃墜したのは一度や二度ではない。

だが中国のダム決壊から始まった混乱によって森元俊喜首相の死去による森元俊也新首相へ変わる段階まで大人しかったものの混乱が収まった後は威嚇を再開した。

「ならばあのプランを実行するしかないですね。」

「使いたくなかったが仕方ないか、せっかくある計画だ、使わせてもらおうじゃないか。」

そう言った統合幕僚長は全幕僚へ向けて発した。

「戦争予防計画1号、対中全国防衛戦演習を開始せよ。」


翌日、日本国政府から各国に対し国防軍の有事を想定した全国規模の演習を行う旨が通告された。


6月23日 0200

国防軍最高指揮官よって国防軍全部隊及び予備自衛官が緊急招集され、同時刻に護衛艦隊に所属する艦隊が第七護衛隊を除いた全艦隊が出港した。

そんな中でも陸自の地対艦ミサイル部隊や水陸機動団、空自のF-3を運用する部隊などが続々と九州、沖縄方面へと展開し始めた。


同日 2010

沖縄沖 300キロ

「ほうしょうCDCより連合艦隊各艦へ、これより戦争予防計画1号に基づく第三段階演習を開始する。中華どもをだまらせろ。」

「「了解」」


対空戦闘に始まり対潜、、、とどう見ても中国の空母打撃群を想定した演習が行われていた。


翌日 0700

一連の演習が終了し帰投しようとした時、、、

「こちらほうしょう所属早期警戒管制電子戦機3番機、ほうしょうCDCへ国籍不明機2機編隊が防空識別圏に接近、スクランブル要請。」

「飛行隊長」

「了解」

飛行隊長が分かっているというようにうなずく。

「第六戦闘飛行隊、第一飛行編隊、ホットスクランブル」

「ほうしょうCDCより連合艦隊各艦へ、これより演習はBプランへ移行する、ただしAプランへ再度変更の可能性もある。総員、一斉奮励努力せよ。」

F-3B2機が飛び立っていった。


Bプランとは中国側と交戦状態になった時のプランである。


『トンビ01より沖縄コントロール、ほうしょう03より援護をうけ警告を実施する。

注意事項は』

『特になし』

『了解』

「そろそろ見えそうだぞ」

「了解」

「お、見えた『トンビ01より沖縄コントロール、国籍不明機アンノウンを視認、中国 官用機二機編隊 これより警告を実施する。』」

撃ってくるなよ、そう思いつつ後方を占有する。

『注目せよ、注目せよ、中国機へ通告する。こちら日本国国防軍、貴機は日本国領空に接近中、直ちに進路を変更せよ。』

進路を変更する気配はなかった。

『通告1回実施、目標変更の意思なし。再度通告する。』

『了解』

頼むから帰ってくれよ、そう思いつつ繰り返す。

だが一向に変更しようとしない。

『通告2回実施するも目標変更の意思なし。』

『機体信号を実施せよ』

『ラジャ』

「聞いてるな02、俺が前に出る。」

「了解」

実施するも変化はない。

『目標変化なし。警告射撃の許可を求める。』

『許可する、領空まで1マイルもない、急げ』

『ラジャ』

ここでもう腹を括っていたとパイロットは後の取材で語った。

「02カバー入れ」

「了解、無茶しないでくださいよ。僕はここで交戦宣言エンゲージしたくありませんから」





中国機は進路を変更しなかった。




「ダメです」

「分かってる『警告する警告する中国機へ、貴機は我が国の領空を侵犯している。すぐさま離脱せよ。離脱しないようなら武器使用も辞さない』」

中国機は進路を変更した、、、連合艦隊の方に、、、、、、


「くそ」

『ほうしょう03よりトンビ01、全兵装使用自由オールウエポンズフリー繰り返す全兵装使用自由、後方にステルス、我々も電子戦を開始する。我が国の安全を脅かす者を撃墜せよ』


「『ラジャ』トンビ01 エンゲージ」

「トンビ02 エンゲージ」










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