番外編 こちら日本国保安庁保安維持隊
「先輩お疲れ様です。」
「お疲れさん、というか先輩も後輩もないだろ。」
ここは、日本国保安庁保安維持隊首都特別管区基地である。
「まあそうですが。まだ機動隊の時のかんじが。」
「まあそうだろうな。」
保安維持隊は、機動隊やサットなどの部隊出身の者が多く、一部には自衛隊の特殊作戦群出身がいると言われていた。
「なかなか出動がありませんね。」
「ああ。」
ないほうがいいんだよ、ここは首都特別管区だぞ、と思うも口には出さない。出せばフラグになりかねないからだ。
「さて、宿舎にもどるか。」
「そうですね。」
ないなら休む、これが一番だ。と思った矢先、
「保安維持隊本部より入電、保安維持隊首都特別管区第一大隊へ出動命令。」
ほら、言わんこっちゃない。
総理官邸
「うるさいな」
「まあ」
ここは総理執務室、現在は森元俊喜が座る。外ではデモ活動が行われていた。
「新憲法反対ー新憲法反対ー」
「総理は辞めろー」
「なにをやっているのかねー」
「もはや公務執行妨害ですね。」
「ああ」
ノックをし、補佐官が入ってくる。
「総理」
「どうした」
「現在行われているデモが無許可であり。やめるよう警告した警察官が襲われました。」
「そうか。」
総理が何やら考えたあと、
「保安庁長官に伝えろ、保安維持法第5条に基づき、首都特別管区に対し治安出動を命じる第一号詔書を発行せよ。」
「了解」
これにより初の首都特別管区隊出動となったのである。
「新憲法反対ー」
私はいま憲法反対する抗議デモに参加している。しかし、警官に乱暴を働いた者がいたのはまずい。機動隊が出てきてもこまる。
「反対ー」
ざわざわ
ん?どうしたんだ。
「こちら保安庁保安維持隊首都特別管区第一大隊である。現在あなた方が行っている活動は許可されたものではない。20分以内に撤収せよ。」
「なに、保安維持隊だと。」
保安維持隊はなかなか出てこないはずなのに。
「民意を無視する気かー」
私を含め数十人は撤収したが、まだ何百人が残っている。私は陰で見守るようにした。
「20分経過した。これより保安維持法第5条に基づき発行された第一号詔書により保安維持活動を実施する。」
10分後、すべての参加者が排除された。
この出来事は国内で大きな議論を起こすことになる。
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