最強が強者を求め、さらなる最強へと至る話
「地上最強の生物」と呼ばれる男、ユージオ・バール。彼はあらゆるものを暴力にて食い散らかし、睥睨する。
東方由来の暗殺教団。
二つの悪党に翻弄される町。
遥か太古、世界に君臨した竜の一角。
絶海を隔てた大陸をかつては一手に治めた先代魔王と、優秀なるしもべ・四天王。
全冒険者の頂点にして、聖剣を振るう資格を得た勇者。
術式にも魔法にも精通し、地水火風と語らう大賢者。
そうした戦いを重ねるにつれ、ユージオの旅路は剣呑さと激しさを増していく。
北方にてひとかどの勢力を成す人馬族。
大国・連合帝国最強の男。
エルフの暗殺弓兵。
古の竜の一角、蛮王竜。
人界大陸最大国家・王国の開発した最新兵装。
極北の氷地を我が物にする、凍て付く大地の覇王。
頭角を現す【ジョブ・地上最強の生物】と、大賢者の陰謀。
そうして戦いは遂に、【神々の台地】なる場所での、全存在を賭けた連続闘争に突入する。
かつて倒した者が復活し、再戦を挑み掛かる。
未来から喚び出されし知られざる我が子に、幼子だった魔王の成長した姿。それぞれがそれぞれの手段で、ユージオに向けて牙を剥く。
少なからぬ傷を負いつつもそれらを勝ち抜いたユージオの前に立ちはだかるは、【ジョブ・地上最強の生物】カバキ・オーカク。
至高竜の威光。亜竜格闘術。先読。そして魔眼。
互いに限界まで拳を振るい合った末、軍配はユージオに上がる。しかしユージオは高みを越えた高みへは至れず、それをもって世界での存在を許容された。
数カ月後。ユージオは再び強き者を求め、酷寒期の王都から旅立つのだった。