異世界に複数回召喚される主人公はわりといる。結構いる。しかし本作の主人公はその召喚された回数がちょっと多い。その数なんと19回。しかも召喚されて鍛えた能力値はずっと引き継がれ、最初から圧倒的な力を手にしている。それでいて現世で平穏な日常を送りたいのに、事あるごとに異世界に呼ばれて彼のストレスは限界に達していた。
そういったわけで19回目の召喚で彼はついにキレた。かくして知性や倫理は放り投げられ、ただただ思いのままに行動する脳筋ゴリラが異世界に解き放たれたのだ。
この作品とにかく展開が早い。主人公は1話にしてタイトルの心境に至るのだが、既に世界を2桁救っているだけあって正直強すぎるのだ。悪徳貴族だろうがモンスターの大軍勢だろうが魔王本人だろうが、敵対する者は即座に容赦なくボコボコにして毛を毟っていく。自らの行動で異世界のバランスが崩れることなども一切気にしない。即断即決の男である。
しかも物理的な強さだけでなく魔法などもしっかり使えるため、脳筋のくせに搦め手っぽい真似もできる。ゴリラのくせに意外と小賢しい……。
そんな世界最強の男があまりに軽いノリでテンポよく世界を救っていく冒険譚。ギャグを多めに挟んだ小気味いい語り口で、一度読み始めたら途中下車を許さないテンション高めなコメディだ。
(「溢れる野生! ゴリラ小説特集!!」4選/文=柿崎 憲)
作者自身も言っている通り、
なんとも速筆で適当な書き方で、
悪く言えば話が薄っぺらく、感情移入できない
しかしその分物語が膠着せず、高速で進んでいくので飽きない
長編によくある、面白い話の合間にまるで文字数稼ぎのような、
つまらない話がだらだら続く・・・
なんてことも全くない。一気に読める
無双小説は数あれど、スタート時で既に、
ここまで極めちゃってるのはあまりないんじゃないか
成長とか、苦戦とか、頭脳戦とか、全く無い
だから「この後どうなるんだろう?」的な緊迫感のある要素はない
簡単に言って、移動→力で解決→移動→力で解決の繰り返し
その割りに、最後に登場人物の「その後」が描かれているのは丁寧だった
唐突に終わってしまう小説よくあるけど、
こういうのある方が読了後すっきりして有難い
ウホ。(この物語は様々な作品を見てきた、まるでシャトーブリアンすら満足しないような肥えた読者に対して、新たな味覚の発見となるような作品になるだろうと、現時点において確信する。)
ウホウホ。(そもそも最近は、やれ剣で倒す、やれワイの魔法がイケイケだというような作品が巷に溢れているが、この作品はそもそもそんな次元で話を進めているわけではない。.....おっと、別にそれらの作品を下に見ているわけではない。上記にしたためた通り、素晴らしい作品だと思う。)
ウッホウホホ。(次元の意味はこの作品を見たらわかるのだが、ともかく主人公は苦労人なのだ。それもかなり常軌を逸しているのだ。その中で、頭がある意味逝ってしまわれた、悲劇と書いて喜劇と読む物語である。)
ウホホーホー。(もっと書こうとしたけど、めんどk....お昼ご飯で友達とバナナバイキングに行ってくる。)