杏朱

この作品、舞台となる異世界を『開拓惑星』、群馬某所の新界開発区を『航宙移民船』と置きかえれば、バリバリ硬派なSF作品に早替わりします。 会話文は必要最小限。 地の文が大半を占め、…続きを読む

正道かつ高レベルのオマージュ。 基礎となる名作の要素を吸収し、消化し、自身の血として、肉として、オリジナルまで昇華させた作品。 キャラクターの過去に対する掘り下げが、若干浅く感じ…続きを読む

馬鹿な子(聖女)ほど可愛い……のか？ 悪役令嬢と聖女の関係性が、とても斬新。 立場逆転でマウントとってくる主人公が多い中、本作の主人公は、一味違った対応をライバルに対して取り始め…続きを読む

事実を淡々と積み上げる様な文章構成です。 歴史の上澄みを掬う感じで、物語はススーと進みます。 構築された設定がしっかりとある感じを受けますが、世界の謎とか主人公の心情とか、そこい…続きを読む

こう云う言い方は どうかと思いますが、作者の力量として「アマチュア感」は、まるでなく、最初から高度に安定したプロの作品となっています。 陰陽道と云いつつも、自然科学の知識を ふん…続きを読む

SFと云う大鍋に、具材として「学園」と「タイムリープ」と「恋愛」を投げ込むのはわかる。旨そうだ。 だが本作品は、これに留まらない。 トッピングに「魔法少女」「偽妹」「異世界転移」…続きを読む

ひたすら硬派な魔法少女モノです。 クラーク3法則の1つ「充分に発達した科学技術は、魔法と見分けがつかない」に寄せるなら、まさにSF調の魔法少女モノと云えます。 タイトル的にコメ…続きを読む

主人公は、特別ではないが、凡人でもない。 いわゆる秀才。 ゆえに、努力をしなければ、結果を出せず、また望みも叶わない。 だから、部活動や恋愛に、自分なりに出来る範囲で、一生懸命に…続きを読む

特別なイベントは、これと云ってなく、淡々と平坦な日常の一部として、ダンジョンを探索する日々を描写する。 これが最初から最後まで続きます。 特筆すべきは、読者を飽きさせない文章力…続きを読む

主人公が、１つのテーマ(目的)に向かって、妄信的突き進む。 ともすれば、狂気的とも云える その行動は、読み手に対し、強烈な印象を植え付けます。 純粋過ぎるが故に非人間的。 一世…続きを読む

適切な文字数の範囲内で、起承転結の原則を守り、物語(章)を終わらせる。 完結を見据えて作品を作って行かない限り、こうはなりません。 ゆえに、読み切ったと云う満足感が、段違いで得ら…続きを読む

剣と魔法の世界観を、近代兵装でぶち壊す。 作者のミリタリー好きが、これでもかと全面に押し出された作品です。 物語はサクサク進むので、最後まで一気に読みきれます。 個人的には、VR…続きを読む

きちんと完結し、そして最後まで読みきらせる文章力。 これだけでも賞賛に値すると云えます。 物語の構成としては、目新しさこそありませんが、ポイント、ポイントをきっちり押さえているの…続きを読む

純粋な力押しの持つ強さを再認識した作品でした。 作品に内在された異様な圧力が、ブワッっと押し寄せて、物語に違和感を感じさせる暇もなく、強引に押しきるように中枢神経を刺激する。 …続きを読む

チート系キャラクターは、その非常識さを売りにする作品が多いなか、本作の主人公は、極めて常識的な社会人です。 チートなキャラが、何故か周囲の非常識に振り回される。 主人公の属性は、…続きを読む

お馬鹿な良い子の爆走コメディ。 本作を評するなら、この一言に尽きます。 この手の作品は、主人公よりツッコミ役の力量が問われるモノですが、ほぼ満点の配役。 むしろツッコミ役の登場…続きを読む

「歴史修正力あるある詐欺」の横行する昨今の風潮の中、きちんと「抗えぬ運命」に立ち向かう主人公が、物語を進めて行きます。 最近のやり直し系には「理不尽と云うスパイスが、少し足りない…続きを読む

「お金」「幸せ」「家族」 登場人物のそれぞれが、このテーマに向き合い、 その結果、どう生きて行く道を選択したのか？ その結果、どう道を踏み外したのか？ それらの描写が、とても生…続きを読む

既存スタイルの焼き直しが多いネット小説界隈において、「女装男子モノ」としての新ジャンルを構築している点が、とにかく素晴らしい。 作品の構成も秀逸で、勢いに流される主人公の心理的葛…続きを読む

架空歴史モノと云えば、「長い」「エタる」「途中で飽きる」が定番ですが、本作品は、絶妙と云える文字数で、きちんと物語を〆切っています。 歴史モノを扱う場合、日々増加し続ける登場人物…続きを読む