悪役に転生というのはよくありますが、修正力がここまで強くて原作回避が難しいものは珍しいのではないでしょうか。少なくとも私は初めてでした。あと主人公の設定が結構重いんですが、本人にすごくガッツがあるので暗くなりすぎないところも良いです。ストーリー展開もテンポが良くて、サクサク進むのに描写が雑じゃなくて、本当に面白い作品です。
「歴史修正力あるある詐欺」の横行する昨今の風潮の中、きちんと「抗えぬ運命」に立ち向かう主人公が、物語を進めて行きます。最近のやり直し系には「理不尽と云うスパイスが、少し足りないなぁ」と思っている方向けの作品です。あくまで「少し」ですからね。「ガッツリ」ではありません。
ゲームの悪役美少女に転生して…はお決まりですが、舞台はなんだか闇が深そうなアクションシューティングの世界。悪役ルートを回避しようとするも、世の中のアレコレが寄って集って悪役に仕立て上げてきます。露骨な強制力に悩まされる主人公の前に開けたルート変更の希望とは!?結構ハードな状況ですが、主人公の鋼のメンタルと飄々とした語り口でさほど重い感じはしません。意外にノリノリで原作装備を作ったりしているので、楽しくよめる作品でした。