概要
一緒にいたい。ただそれだけなのに、こんなにも遠い。
内海に面した村に住む『お役目持ち』の娘・凪海は幼い頃、人魚に助けられたことがある。今は、巫女であるタキと共に村の祭事を執り行いつつ、平穏な日々を送っていた。恋人の耕太と夫婦になる日も近いと思われたある日、『人魚を捕らえよ』という領主の命令が村に下される。
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!異種族の距離感
言葉は通じる。
喜怒哀楽の発露も似ている。
身体つきは足が二本あるか尾びれがあるかの違い。
ただ、陸と海、彼らはすみかが違う……
そんな彼らは、どんな距離感で接すればより幸せになれるだろうか?
物語は人と人魚がときおり出会う……そんな漁村が舞台。
同じ言葉を話すので、出会えば意思の疎通はある。
ごく稀には恋に落ちる者もいる。
けれど、たいていは「お互いに、相手のやっていることの意味がよく分からない」。「お互いの在り方に、勝手に思い入れしている」。
そして陸の人々の思い入れによって、悲劇が立て続けに起きる……
後半に至って両者は互いに歩み寄り、互いの理解を深めようとするが、それでもつら…続きを読む