概要
身分も出自も分からないヴィーを訝しむも、ディルは直感で彼についていくことを決心する。
並外れた美貌と穏やかな物腰の謎めいた若者と、王都を追われた孤児の少年の、いささか頼りない旅路が始まる。その邂逅が導く驚くべき運命を、互いに知らぬまま――。
表紙絵
https://kakuyomu.jp/users/skorca/news/16816452221408871868
※『小説家になろう』でも公開している作品です。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!壮麗で骨格のしっかりしたファンタジーに、繊細な心理描写!
カンファー王国のはずれの、山中で。
身なりの良い美少年、ヴィーが、盗賊にとっつかまって、縛り上げられていた。
彼は、淡い金髪で、とても上品だ。
その彼を、物陰から、そっとうかがう、十歳の男の子がいる。
身体は痩せ、殴られたあとがある。
盗賊どもにつかまって、下働きにこき使われているのだ。
「……その傷、先ほど出ていった男たちにやられたのですか?」
ヴィーは、男の子にそっと話しかける。
それが、お互いにとって、どんなに意味のある、運命的な出会いであるか。
この時はまだ、知る由もなく……。
精神の強さを持つ、訳ありのヴィー。
男の子を襲う、数奇な運命。
人の心の強さ、葛藤が、抜き差しな…続きを読む - ★★★ Excellent!!!——ああ、光だ、と思わず声が漏れてしまうほど鮮烈な二人の再会
ファンタジーといえば、剣と魔法、昨今では異世界に転生転移して始まる物語が多いような気もしますが、こちらの物語には魔法も異世界も(現時点では)登場しません。
現実とは全く違う世界、独自の歴史や宗教があり、その中でも人々は政争に明け暮れ、あるいは謀略に巻き込まれ、大切な人を失ってしまう。
この物語の主人公ディルはそんな世界で、父を失い、野盗に攫われてこき使われている最中、同じように野盗に囚われ縛り上げられた青年ヴィーと出会います。何やらドラマチックな展開が始まりそうですが、あにはからんや、何か食べ物をくれたら助けてあげる、と言ったディルに対し、困り果てて助けを求めたはずのヴィーの応えが…続きを読む - ★★★ Excellent!!!ヴィーとデイル、この二人の運命的な出会いが導く先には……
ここにあるたくさんのレビューをご覧になると分かる通り、読者の皆様に支持され絶賛されている素敵な作品です
少しずつ紐解かれていく物語なので、あまり先入観なしで、小説が進むままに読むのがおすすめです
端正で無駄のない筆運びで、中世の空気感のある独特の世界に誘われます
読後感はとても爽やかです
中世に近い文化がある異世界もの
魔法など超常の力の類は登場しないけれど、その分、人と人とのつながりが丁寧に書かれており、心に沁みます
伏線の張り方が巧みなので、読書でそれを見つけていく喜びもあります
番外編『アドベントカレンダー2023 〜親愛なる我が従弟殿へ〜』と合わせて読むと世界観が補完され、もう一…続きを読む - ★★★ Excellent!!!権力の渦中にある少年と、聡さと運を合わせ持つ孤児。出会いから始まる物語
旅の途中、賊に捕らわれてしまった謎の少年ヴィーと、そこで出会った孤児のディル。ヴィーはディルが一人で生きていけるようになるまで手助けすることを持ち掛け行動を共にすることになるが、実はディルはもっと大きな別の権力に命を狙われていた。
「約束を、絶対に忘れないで」
その言葉を胸に、分かれた二人の運命は――?
しっかりとした落ち着いた雰囲気ながら、丁寧な表現でどっぷりと世界に入り込める文章です。物騒な展開でも会話のテンポの良さなのか暗くなりすぎず、ぐいぐいと読み進められます。
登場人物たちもみんな魅力的!主役の二人もさることながら、脇役のオジサマたちがみんな良い味を出していてお気に入りです。
1…続きを読む - ★★★ Excellent!!!読み進めたい欲求が止まりません
第12話まで読了いたしました。
あちらこちらに伏線が張り巡らされており、読み進めたい欲求が止まりません。
主人公の一人・ヴィーの物腰柔らかい口調が特に好きです。16歳にもかかわらず、達観したその様が、過去にあった出来事を匂わせており、早くその時のことを知りたい、その場面を読みたいと思わされます。
また、もう一人の主人公・ディルは少年らしく迂闊な面がある一方、その経験から自分の利になるよう考え行動できる聡明さを兼ね備えており、とても魅力的です。
自分を拾ったヴィーの言葉を信じ、孤独に負けないよう奮闘する彼を応援せずにはいられません。
まだ、物語は序盤で、ヴィーのもつ「力」、各権力者たちの…続きを読む