第5話 言い訳師の固有スキルゲットだぜ!
職業を変更すると、自然とステータス画面に戻ってきた。
ステータス
名前:リュウ ニシエノ
職業:言い訳師
Lv:6
体力:6(+0)
筋力:12(+0)
魔力:1(+1)
防御力:7(+0)
すばやさ:4(+0)
(本当に変わった。なるほど、なるほど。括弧の中は職業補正になっているのか。言い訳師は魔力アップ。ニートは全部マイナス。基準が全然分からんが、微妙すぎるわ)
メニュー画面に戻ると、スキルの項目が点滅していることに気がついた。言い訳師を獲得したことで、何かスキルを得たのかもしれない。そう考えたリュウはスキルを開いた。
・口八丁(new!)
(いらねぇ。だから、それなんの役に立つんだよ!)
口八丁にカーソルを合わせる。
・口八丁-言い訳師固有スキル。自己弁護をすることが出来る。嘘八百に進化可能。
(使えねぇ。魔王を相手にどうしろと。口八丁で乗り切れってのか。バカも休み休みいいやがれ!)
突っ込みにも疲れてきた。止まった世界でも、息切れはするらしい。もう他にはないのかと、片っ端からボタンを押すことにする。リモコンは手のひらより大きい。親指しか動かせないリュウには本来は届かないボタンもあるのだが、どういうわけか、押したいと思ったボタンが押しやすい場所にリモコンが手のひらですべるようになっていた。
まずはチャンネルから行こう。1chから押してみるが、例の『現在、このボタンは機能しておりません』の文句が出るだけ、そう思っていた。
すると、3chを押したときに、前方にスクリーンが現れた。画面にはどこかの雄大な自然が映し出されている。なんとなく、リュウには想像がついた。この世界に飛ばされたとき、夜中の3時ごろだった。そして、選んだの3ch。つまりこれは、深夜のMHK(みんなの放送局)で放送されているドローン撮影の大自然をただ流しているだけの番組だということが。
しかし、あくまでも静止画。
それはつまり、この世界は停止しているから。
(モニターだけでも動けよ。そしたら、この世界でだらだらテレビ見て生きるっての!)
一時停止の画面。どちらにしろ、見れないのだが他のチャンネルは全滅だった。唯一の救いは3chのみ。それでも、静止画じゃ意味が無い。
リュウが次にいじったのはdボタン。
再びモニターが映し出される。大きな地図が表に出てきて、天気図が表示されている。リビア周辺は本日は晴れ、気温24℃。明日あさっては雨と表示されている。
(今日は晴れなのね。リビアってなのがどこかは分からんが、現在地周辺の地名なのだろう。だが、それがどうした。天気が分かったから何?魔王の弱点が分かる?ふざけるなっての!……いかん、前向きに考えよう。ビバ ポジティブ!このdボタンを活用すれば、気象予報士として生きていけるかもしれない。もちろん、この場を切り抜けられたらだがな!)
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