概要
日常の謎。青春が化かす、きつね色のジュブナイル。
占いをこよなく愛する柴剣太郎はある日、幼馴染の山根小冬が購買で何か揉めているところを目撃する。
どうやらお気に入りのパンが販売中止になったようで……?
その日の放課後、剣太郎は先日の生徒会選挙についてある噂を聞くのだが――。
きつね色に焼き上がったパン、中身は何色なんだろう。
ちょっと風変わりな青春ミステリ短編集。
どうやらお気に入りのパンが販売中止になったようで……?
その日の放課後、剣太郎は先日の生徒会選挙についてある噂を聞くのだが――。
きつね色に焼き上がったパン、中身は何色なんだろう。
ちょっと風変わりな青春ミステリ短編集。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!「青春」の化けの皮
4人の高校生が部活や行事を通して失敗と成長を重ねる群像劇です。
主人公は、占いの結果を元に行動することを信条とする理屈屋の高校生です。よく言われていることですが、日常ミステリーって、謎が謎に見えないほどささやかなものだったり、探偵役が探偵を生業にしているわけではないので、なぜその謎を調査するのかという動機付けの設定が難しいんですよね。しかしこの設定ならトリッキーな理由付けで、探偵役に推理に向かわせたり/逆に手を引かせたり、あるいは読者にミスディレクションを与えたりできるなと思いました。第3章ではこの設定がギミックからテーマへと推移していて、キャラクター小説としての練度を感じました。あとは沙…続きを読む - ★★★ Excellent!!!「人が死なないミステリー」の難しさを知るからこそ分かるもの
ミステリーというジャンルの執筆に一度でも手を着けた方ならお分かりでしょうが、「人が死なないミステリー」を書くことは難しいです。登場人物の"死"というものは、良くも悪くも容易くストーリーに起伏を生みます。
だからこそ、ミステリーというジャンルに限らず、ときに書き手はその"刺激物"に甘えがちなところがあります(言わずもがな、登場人物の"死"ありきの作品もまた多数存在します。これは「人が死ぬミステリー」を貶めることを意図した記述ではありません)。
そして、御作にその安易な"刺激物"は存在しません。
しかし、読み手を引き付ける確かな起伏がそこにはあります。
占いを否が応にも叶えにい…続きを読む