とにかくヒロインがものすごく可愛いのです。読んですぐにハートを鷲掴みにされました。
主人公である高校生の竜司は、幼馴染である姫崎唯愛と再会する。結愛は重度のホームズオタクで、学園に入るなり「SD(スクール・ディテクティブ)倶楽部」を結成し、近隣で起こる事件を解明しようとし始める。
当然、竜司もそこに加入させられてしまう。
出てくる事件やその後の推理、真相ももちろん面白く、アイデアとしても秀逸。
でもそれ以上に、ヒロインの結愛ちゃんが可愛らしい。一人称が「ボク」て、美少女で知的で自信満々。ミステリー好きで、性別を気にせずに付き合えそうな感じ。学生時代、こんな子がそばにいたら、と思ったことがある人は少なくはないのでしょうか。
読んでいる途中、何度も「俺物語!」の主人公のように「好きだ~」と呟きたくなる瞬間がありました。
読めば絶対に夢中になります。是非とも、一度手に取ってみてください!
人気ドラマ『SHERLOCK』のように、古典を換骨奪胎して現代風にアレンジするには、原作に対する深い理解とリスペクトが必須で、相当のテクニックを必要とする。
世界一有名な名探偵の物語を、和製学園ドラマへと見事に落としこんだ本作にも、多大な時間と愛情が注がれていることだろう。
ホームズ役を帰国子女の令嬢に、ワトソン役を粗暴だが心優しい執事にしたカップリングも、ひねりが効いていて面白い。
男女ペアとなれば当然にラブコメ要素が絡んでくるが、(今のところ)スパイス程度に利かせているのも好感が持てる。
今後のミステリ的展開と、ふたりの関係性がいかなる変化を遂げるのか、完結が楽しみな作品だ。
ドタバタ学園推理系の本作。
読みやすい文章としっかりした推理が主軸となっていますが、何と言ってもキャラクター。
ヒロイン?にあたるお嬢様が、自ら危険やトラブルに突入して、お世話係の主人公を振り回します。
その様が「俺は推理物を見ていたと思ったのに、コメディを見せられているのか?」と思うほどに面白いです。
お嬢様は、破天荒ですが、優秀な頭脳から繰り出される推理と、むぼ……大胆さで、事件をスタイリッシュに解決!
その推理する姿は名探偵、行動は暴走機関車!
主人公の胃はデストロイ!
というような非常に面白い作品です。
ミステリーもきちんとリアリティがあり、納得のいくものです。
推理物が好きな人は当然、ラブコメ、コメディが好きな人にもお勧めですよ!
令嬢とヤンチャの凸凹コンビが織りなす物語ですが、比較的ライトな感じで書かれた文章の中に、作者さんのミステリーへの拘りを感じる箇所が幾つもあります。
ミステリーは緻密な人物描写や風景描写を怠ると小さな綻びが大きな破綻に繋がると思っております。
そんな中でここまで読みやすい物語に仕上がっている事が凄いです。
会話と文章のバランスも良く、今までミステリーと言うジャンルを読まれていない方にも間口が広いです。
気軽に手に取り、十分楽しめて今後に期待出来るとても良い作品だと思います。
キャラに関しても、尖った方向に振り切る事無く、丁度いい塩梅の境界線だと感じました。
私もこの作品から自分の苦手なジャンルの文章表現を勉強させて頂いております。
まだ作品を完全に読み終えていない段階ですが、僭越ながらレビューを残させて頂きました。