第34話 抱っこ
「何だって?」
ルナさんの、思いもよらない発言に、僕はどきまきした。
「でも、僕たちそういう関係では・・・」
「何を、勘違いしてるの?そういう意味じゃないわ」
「じゃあ、どういう・・・」
「抱っこしてってこと」
なるほど・・・
って、まて・・・
抱っこて・・・
「お姫様だっこじゃないわ。太陽くんに、そんな腕力ないのわかってる」
わるかったな・・
「ウサギの格好するから、抱いて学校まで連れてって」
「なるほど・・・って、なんで?」
「疲れたから・・・」
「ウソだよね?」
「うん」
ルナさんが、わからん。
「実はね、今日は学校に休みますって連絡入れたんだけど・・・」
「うん」
「でも、一度、学校の動物たちとおしゃべりしたくて・・・」
「それで?」
「だから、抱いて連れてって」
「断る」
「何で?」
「荷物が多い」
今日の僕は、両手がふさがっている。
とても、ウサギ一羽だっこできない。
「じゃあ、私が君の荷物を持つから、君は私を抱っこして」
「了解・・・って?」
沈黙が流れる。
「アホなこと言ってないで、学校行くよ、ルナさん」
「いい考えだったのにな・・・」
「どこが」
昔のアニメのよくあるパターンだな。
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