第8話  ルナの正体

「大地太陽様、いつも娘がお世話になっております」

ご両親から、深々と頭を下げられる。


「いえ、僕はなにも・・・」

あからさまな、社交辞令だな。


でも・・・


「時に、大地様」

ウサギのお父さんから、声をかけれらる。

「月のウサギの伝説はご存知ですね?」

「ええ、一応は?」


老人に扮した帝釈天が、キツネ、クマ、ウサギの、

仲良し3人組の前で、行き倒れになる。


キツネは知恵をいかして、木の身を取ってくる。

クマは力を生かして、魚を取ってくる。

でも、ウサギは何も出来ず、「私を食べてくれ」と、火の中に飛び込む。


それを見た帝釈天は、正体を明かして、ウサギを月に上げたという神話。


「そのウサギが、私なんです」

冷静に受け止めた。

いちいち驚いていられない。


「私、かぐやは・・・」

お母さんである、かぐやさんから説明が入るが・・・

「いえ、言わなくてもわかります」

正直、疲れる。


「でも、どうしてウサギと人間が、結婚出来たんですか?」

「私たちは、地球の生物ではありませんので、その常識は通用しません」

「でも、ルナさんは?」


「私?ウサギにもなれるよ。見せようか?」

「頼む」

「えい」


ポン


ウサギになった。

一羽のウサギに・・・


「どう太陽くん、信じてくれた?」

「ああ」

「元に戻ろうか?」

「お願します」


ポン


人間に戻った。


「で、僕をここへ招待して下さった目的を聞かせて下さい」

「太陽くん、単刀直入だね」

ああ、もう早い所解放されたい。


ここが、セットでも偽物でも、仮に本当でも・・・

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