第7話  ハーフのルナ

「街だ。街がある」

そこには、街があった。

地球の都会のような、コンクリートの街が。


「驚いた?」

「そりゃあ」

ルナが、急に威厳のある口調になる。


「月はいつも、その裏側見せずに、地球の周りをまわっている。

文系の君でも、それは知ってるね」

「ああ」

「なので、昔の人は考えたの。月の裏側には、大都市があるのではないかと」

「でも、それは覆されたろ?」

「ううん。その話は本当だったの。月の裏側には、このような大都市」

ルナさんの眼は真剣だ。


「さあ、下りるわよ。もう君の歓迎の準備は出来ているから」

「えっ」


ルナさんに、先導され着いていく。


「太陽くん、まだ信じてないよね」

「ああ」

「今はいいわ。とにかく、両親に紹介するから」

「両親?」


ルナさんの後から、UFOを下りた。

大勢の人が出迎えている。


「お帰りなさいませ。プリンセス」

ルナさんは、その中を歩いていく。


「プリンセス、こちらの方は?」

「この方が、大地太陽くん。丁重におもてなししなさい」

「はい」

なんなんだ?


そのまま歩いていくと、ふたりの人が出迎えてくれた。

女の人は人間だが・・・

男は・・・ウサギ?


「ルナ、御苦労さま」

「ルナ、この方がそうかい」


「はい、お父様、お母様。

この方が、大地太陽くんです。」


ルナの両親というべき、男性のウサギと、女性の方が近づいてきた。


「初めまして。私はルナの父、見ての通りのウサギです。」

「私はルナの母、かぐやです。」


なんですと?

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