第42話移住の理由

というわけで・・・


僕とルナさんは、久しぶりに谷口さん一家と再会した。

気をきかせてくれたのか、浩太はいない。


レストランに招待してくれた。

かなり、高級だ。


こういうところは、僕の性に合わない。

お鍋をかこんでの、差しつ差されつのほうが、いい。


「太陽くん、贅沢いわないの」

「へいへい」

「返事は、はい」

「はーい」

「伸ばさない」

「はい」


ありきたりな、会話をする。


でも、こういうレストランでは、それなりの格好が必要。

それは、レンタルで行くことにした。


その代金も、谷口さん持ち。

瀬里ちゃんも、大きくなった。


何カ月かな・・・


「太陽さん、ルナさん、あの時はお世話になりました」

「太陽さんがいなかったら、この子もいませんでした」


丁寧に礼を言われる。


「いえ、当たり前のことをしただけで・・・」

「それが、出来ない人が今は、多いのです。遠慮しないで、食べて下さい」


そんな事をしてもらうために、助けてわけではない。

でも、ここで断ると、門が立つ。」


ちなみに、フランス料理のフルコース。

失礼だが、お金はどうしたんだろう?


「会社を辞めて、ハワイに移住することは、ご存知ですよね?」

「はい。ルナさんから伺いました」

「全財産を投げうって、もう永住する事にしました」


決意に満ちた目で、僕に語る谷口夫妻。


「でも、どうしてですか?」

「日本人は、同調圧力の強い民族です」

「ええ。長い物には巻かれろですね」

「そうです」


谷口夫妻は、真面目の語る。


「このまま、日本にいては、自分というものを、見失います。なので、海外に移住することにしました」


説得力があった。

確かに、日本人は人と同じが好きで、違った考えのものには、冷たい。


僕も、いつかはと思っている。






  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る