第35話 禁句

ウサギは、軽い。

僕でも抱ける。


でも、荷物は多い。

幸いなのか、リュックなのが救い。


「太陽くん」

「何?」

「重い?」

「誰が?」

「私」


ハイと答えたら、命が無い。

一応は、女の子なので・・・


《女性に、歳と体重は訊くな》


そう父に言われた。


そういや、ルナさんは何歳なんだ?

まっ、置いておこう。


他愛のない会話をする。

そうしているうちに、学校についた。


「ありがとう。太陽くん。後は一羽で行くから」

「人間の姿にはならないんだね」

「うん。この方が早い。後、荷物はお願いね」

「へいへい」


一羽のウサギが、飛び跳ねていった。


「さてと・・・」

僕は、教室へと向かう。


この荷物は、どうするんだ?


「えっ?」

手紙があるのに気がついた。


僕宛だ。

当たり前だけど・・・


【太陽くん。


この荷物は、君のお姉ちゃんに渡しておいてね


ルナ】


二度手間だ。

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